禁煙治療ー4

Varenicline for Smoking Cessation in Hospitalized Patients With Acute Coronary Syndrome Circulation 2016 1月5日号

データベースに7700人の喫煙者での心筋梗塞患者をチェックするところからすごいです。そのうち、拒否、精神疾患、10本以内の軽い習慣、妊娠中などを除外して、精鋭227人我こそは禁煙せんと意気込んだ人たちを、12週間 バレニクリンと偽薬で禁煙できたかいという研究です。結果は、さぞかし心筋梗塞で苦しんだし、禁煙治療を求めた人たちで半分以上はと期待していました。しかし24週後に禁煙と推定された人は本物チーム36%、偽物チーム26%でした。体が復調したらもう一本おばけ がでてきたのでしょう。日本人では、医者が密接に説諭するでしょうから、もう少し禁煙率は高いでしょうが、ニコチン依存はやめられないものですね。面白いのは、双方同じくらい10%ぐらい副作用を訴えたそうです。10人ずつの心血管病がでたのは、もともとのご病気からしかたないとしても、不眠や胃腸障害などバレニクリンでよく認める障害を偽薬でも認めたと言うことです。タバコによって得られていた快感の消失でこのように、副作用が出てしまうと言うことです。禁煙外来での患者さん説明に使えそうです。

Smokers and Postcessation Weight Gain After Acute Coronary Syndrome

Circulation 201 7年4月18日号

同じ患者さんたちの1年後を追跡しました。170人しか集まらず、70人完全禁煙、100人が吸っていました。85kgのサイズの集団でしたが、禁煙した人たちは平均5kg太ってしまって、禁煙していない人たちは1kgぐらいの増加で済んでいました。通常心筋梗塞後は体重増加を見ないことが多いらしいのですが、禁煙にて体重と血圧が増加しているということがわかりました。ニコチンによる食欲抑制で体重を維持していた人が、ニコチンによる血管収縮にて冠動脈圧力変化からプラークが弾けて心筋梗塞を起こしたと言えます。禁煙して太って血圧上がっては、説得力ないです。もう1年後に喫煙者にはこんなに悪影響があったよ、禁煙の人は太っても心筋梗塞になりにくかったよ、とかいうデータになるといいですね。ニコチン依存症は大変困った疾病であると理解しましょう。自分も禁煙して12年になりますが、やはり5kg太りまして、走ったり、蛋白食したり、甘味立ちしたり、いろいろして、それからマイナス3kg、やはり喫煙時より2kg増加したままです。ニコチンから離脱した後、習慣の全くなかったアルコールに挑戦したのがよくないようでした。摂取カロリーを控えても、アルコールも控えながらも、最後の2杯あたりが、カロリー過多になって、体重が元に戻らないのでしょう。わかっちゃいるけどやめられない。