延命と医療③酸素投与

低酸素状態になれば、酸素投与の指示を医師は必ず考えます。人工呼吸装置にも酸素を側管から濃度随意に、流すこともできます。自発呼吸があれば、鼻管やマスクで投与します。4リットル毎分ぐらいなら、空気を濃縮する装置で、24時間自宅でも、酸素投与できます。低酸素状態の判断は、指先に酸素と赤血球のドッキング具合を見る簡単な飽和度モニターがあって、簡単に通販で誰でも買えます。これで90%以上あれば、なんとか生きていけます。健常者でも3000m登れば、それぐらいの低酸素になります。病人が90%の飽和度でどのくらい生きるかは、計算できませんが、酸素を吸っても90%しかない場合は、おそらく意識は朦朧としているでしょう。他の臓器障害が軽度で、万全のマンパワーで、水分と心不全コントロール、気道喀痰処理、感染コントロールできれば30日は持つかもしれません。酸素飽和度90%で酸素投与拒否での生存は、明日をも知れない余命という説明を医師はすると思います。酸素を与えて、自発呼吸があって、喀痰掃除完璧で、飽和度が酸素次第で95%以上に上昇すれば、吸い口でジュースだけでも数か月、中心静脈栄養だと何か月から年余もちます。

 在宅での枯れるような最期、療養型施設、有料老人ホームなどでの求める延命スタイルの実際。実際に医療者や介護者の対応などについて随想文を明日以降アップします。