コロナ随想ー学問、学習

コロナに振り回された2020で本年もそうなるでしょう。コロナも大変ですが、コロナの後に自分に何が残る?すり減るだけ?前に進みたいです。コロナが本年は無理でも来年は収束するでしょうから、そのあとに残る何かを見つけたい。

随想をいくつか書き留めておきます。目標 週2回ぐらい

学問の世界では、オルトメトリクスのtop100論文2020年版が出ていないのが気がかりです。オルトメトリクスというのは、論文の引用頻度だけでなくメディアの反応なども入れた、現実的な学術論文の客観評価指標です。面白論文もたくさんあります。過去5年分をみています。残念ながら日本人の論文はほとんどありません。市井の町医者にとっては、社会科学も含めた科学論文の最先端の表題だけでも見てみたいのに、コロナ関連が上位のほとんどになってしまったのでしょう。面白くないのか、利益相反が生じるのか、上位100個の論文が出てきていません。紅白歌合戦やガキ使に匹敵する年末の楽しみでしたのに。

医学を学習して36年たちました。8年ぐらい前ですが、子供に勉強を教えんとやおら、大学受験で一番難しい参考書を見てみました。生物はチンプンカンプンでした。DNAが二重らせん構造という知識で終わっているレベルでした。医学の教科書のように、難しい生化学や生理学の小ネタが所狭しと羅列してあるではないですか。化学の参考書も見ました。いつまでたっても内容が濃すぎて最後まで到達できませんでした。物理は力学のところで燃え尽きました。結局高校生に遺伝子の複製などの基礎を教わりました。数学は昔より簡単な感じで何とかなって、英語は海外で生活しているので、さすがに大丈夫でした。基本的な理系の知識のアップデートが必要なことが露呈しました。高校数学と英語が少しできるだけで医者になってしまっていたのです。あるいは、自分の興味ある分野の英語論文を読んで、最新科学と誤解して悦にいっているだけ。そこで手っ取り早く、実を兼ねてアメリカの基礎医学過程の国師の対策本を数回、字引を引きながら古文書解読のように作業しました。若い時は一夜漬け大明神の異名があったのですが、もう無理です。コツコツが一番であると、この年で気が付く無念。勉強と言っても、ただのUSMLE first aidのキンドル版です。改訂ごとに2年に1回は一巡する作業をしました。基礎医学領域は新鮮な知識が自分的にはどっさり、臨床の方はさすがに学校で教えていることもあって新しい知識の習得はありませんでした。解剖学は外科出身ということでうるさいのですが、日本の解剖学はアメリカ医学教育に勝っていると言えます。まだまだ生物学については大学教養課程ほどの知識はありません。今年は、英語の教科書を読んでもどうせ10%以下の理解しかないのを正直に認め、日本語版の細胞の分子生物学25巻(5万円と高額なのに動画が再生できないぞ)、ハーパー生化学、ガイトン生理学を、一年かけて読みます。iPADばかりが偉くならないように、老眼鏡をかけて電子で勉強。きっとコロナの後に、いろいろな医学情報がリニューアルされるでしょうから、置いてきぼりにならないようにします。アルコールで毎回画面をふくことを忘れません。

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