クリニカルケースes-低ナトリウム

クリニカルケースes

Case 9-2017 — A 27-Year-Old Woman with Nausea, Vomiting, Confusion, and Hyponatremia 2017年3月27日

27歳女性と低ナトリウム血症による嘔吐意識障害

ちょうど専門学校で副腎と電解質などを教えているときで、低ナトリウムと言えば抗利尿ホルモン産生腫瘍とアジソン病というのを黒板に書いたので、このケースレポートは題名からその二つを考えました。

アジソン病はケネディー大統領もそうだったようですが、昔は副腎結核で、副腎機能低下があったようです。現代の若い女性がなんでなったのか、自己免疫性かなどという結論です。橋本病と合併することは教科書でSchmidt症候群で有名です。IgG4関連などであればさらに興味深いのですが、それには触れていませんでした。一般的に、副腎機能不全では、アルドステロン作用(ナトリウム貯める、カリウム捨てる、血圧上げる)がなくなるため、低血圧と低ナトリウム傾向になります。どうしたんだよ?副腎と下垂体から刺激ホルモンが大量放出されて皮膚のシミ、前葉がだめですと非常メカニズムとして下垂体後葉から抗利尿ホルモンが緊急的に体液量保留のために放出されまして、さらに低ナトリウム傾向になる。丁度教えている時期ですから納得していますが、きっと明日からどんどん、放念してしまうので書き留めました。

低ナトリウム血症の治療は、以前紹介のように低ナトリウム補正は

生理食塩水 500 ml のボトルから100

ml捨てる。残りの400 mlの生理食塩水に10 %食塩水 120 m(6

アンプル)入れる。全体の食塩のg 数は,400 ml × 0.9/100(g)

+ 12 g = 3.6 g + 12 g = 15.6 g。したがって,15.6/520

= 0.03 → 3 %食塩水となる(Na 濃度は約510 mEq/L)。

3%食塩水を使って(0.51mEq/l)目安は1mEq/kg/hから開始して、100ccを1時間とかをまず落としてみて、1時間ごとに測定、尿量なども測定、など集中治療の心持で行います。過剰なナトリウム投与は脳幹に障害がおこります。クリニックレベルでは、1時間ごと測定などできませんから、塩辛い食事をを励行して、ステロイド製剤内服で、意識レベルが問題ないなら様子を見ることもあります。