ヨーロッパの腸内細菌 | 医療法人社団 こうち医院

ヨーロッパの腸内細菌

フランス人の腸内細菌は日本人のようにビフィズスも存在するという以前の論文を、派生して調べました。

Differences in fecal microbiota in different European study populations in relation to age, gender, and country: a cross-sectional study.2006年アメリカ微生物学会誌

ヨーロッパでは腸内細菌は、バクテロイデス属もまずまずいますが、優勢は日本では宮入菌で有名なクロストリジウムです。クロストリジウムは短鎖脂肪酸の酪酸を作ってくれます。米国や中国の優勢はバクテロイデス属です。クロストリジウムは医療知識のある人は眉を顰めます。破傷風菌、ボツリヌス菌、ウエルシュ菌など一歩間違えば悪玉ですのでイメージがちょっと、いくら酪酸を作っているといっても。菌交代で偽膜性腸炎の原因もこのクロストリジウム。日本人の腹にたっぷりあるビフィズス菌が大変結構な自慢できることのようです。

 

Obesity-associated gut microbiota is enriched in Lactobacillus reuteri and depleted in Bifidobacterium animalis and M. smithii、世界肥満学会雑誌2012年)

日本人には古細菌がいないがビフィズス菌が豊富。フランス人欧米の中では発酵物を好むのかビフィズス菌も常在しているとあります。

フランスの研究では、古細菌がいる人はやせているとしていました。人類は幼少期に全員ビフィズス優勢なのに10年単位で腸内フローラの様相が様変わりします。

ビフィズス菌の他クロストリジウムで酪酸を作っているのがヨーロッパの腸内フローラのようでした。乳酸菌はほかの論文では体重増加に関係ないですが、飽食の肥満体には逆にストレス防御機構として乳酸菌が増殖していると思われる結果もありました。

一定の法則、肉好きはバクテロイデス→こういう病気、草食系はプレボテラ→こういう病気、などという簡単な図式があれば、予防医学的な腸内細菌治療が目指せますが、いろいろ文献をサーフィンしましたが、空想の域をでていません。乳酸菌とビフィズス菌は今のところ、まったく無害極まりなく、病気の予防効果に切れ味があれば言うことはありません。トクホとしてアレルギーや減量効果といった宣伝も、無害であるから世界中の保険当局が容認するわけです。バイオ系企業は宝の山をプロバイオティックスにもとめています。いつかは、ニューイングランドやランセットのお墨付きのある、炎症性腸疾患対策の処方ヨーグルトなどから医薬品として認可されるかもしれません。