ハーバードおすすめの魚

Fish Intake, Contaminants, and Human Health Evaluating the Risks and the Benefits アメリカ医師会雑誌2006年 10月18日号

全部で207本の論文をハーバード大学の先生が詳細に読んで、日本人の論文も引用してもらって、魚食の必要性と限界について述べています。オメガ3系のEPA DHAを食べると、容量依存はないが、心筋梗塞や脳梗塞は強く抑制する。不整脈予防効果、抗血栓効果は容量依存的、脂質改善も強くあって、非の打ちどころのない魚油の薬効です。副作用出血と言いますが、まれですが手術や処置でEPA内服中の出血に対応しますが、止血不能はなさそうですし、魚臭いにおいが少しするだけです。死亡率も少量内服から効果抜群で容量依存はないですが40%まで心血管死亡を予防するというハーバードまとめでした。水銀の胎児影響や公害は大問題なのでその対策は重要とし、先日紹介の妊婦、授乳中、小児は慎重にマニュアルに従ってということで、魚の効用が弊害を上回るという見解でした。

 

Mercury Exposure and Risk of Cardiovascular Disease in Two U.S. Cohorts.

2011年ニューイングランド3月24日号

いつも紹介する6万人規模の看護師5万人と男性医療関係者1万2千人研究の一環で、こちらもハーバードの研究です。6万人の爪を保存していたとは驚き。10年間で心筋梗塞や脳梗塞になった人の足の爪をあらかじめ残していたことがすごい。3000人が10年間の経過で心血管病になったようです。10年間で20人で一人心筋梗塞や脳梗塞になる看護師さんは日本には少ないです。日本の看護師さんは健康に詳しく、皆働き者ですからやせた人が多く、健康にいいものを飲食して、入念に必要な検査をするから長生きの印象が強いです。胸ポケットに、いつもライターとセブンスターを入れているような頼もしい種族の看護師さんはいなくなりました。病気にならなかった看護師さんたちの爪3000個で魚食生活と水銀の関係を調べました。魚好きのひとは水銀量が多めでした。水銀濃度の高い爪のひとに病気が多かったら大喝采でしたが、あに図らんや、魚食好きで水銀多めの爪の持ち主には病気が少なかったという結果が出てしまったようです。セレンという微量元素が水銀の解毒効果があるという北欧からの知見も疫学的証明には至らなかったという論文です。しかし3000個の身元確認済みで食事内容も生活もわかる心血管病の医療関係者の爪を10年以上保存して研究するという、やはり、月に着陸した国は違いますね。

 

水銀が少なくて、油っぽい魚がハーバードおすすめです。アンチョビ、ニシン、サーモンはおすすめのようです。日本のアンチョビは缶詰でしょっぱすぎですので、海遊ビンナガマグロの中トロが魚油多く水銀少な目ですがスーパーでは買えません、ニシンも缶詰ですし、養殖サーモンが安全かどうかは知りません。イワシ1本の塩焼きの塩抜きならもしかしたら、現実路線かもしれません。昨日はデパ地下で国産サーモン燻製を一本売りしていましたが、2500円ではなく25000円でした。