糖尿病管理新基準

近日中に日本でも、話題になる糖尿病の新基準がアメリカの内科学会雑誌からでました、世界の糖尿病学会はまだ認めていません。

Hemoglobin Aic Targets for Glycemic Control With Pharmacologic Therapy for Nonpregnant Adults With Type 2 Diabetes Mellitus: A guidance statement update from the American college of physicians. アメリカ内科学会誌の2018年3月

 糖尿病外来通院患者さんの至適ヘモグロビンA1cは7から8に決定しました。

6.5以下のコントロールの人の薬は見直そう。高齢者での低血糖発作は致命的である。

こういう見解でした。今までのトライアルでアコード試験などは、糖尿病でもない人にも徹底的なヘモグロビンA1c低下をしたため低血糖事故にて試験中止になったりしました。外来での低血糖が、認知症や脳血管障害の引き金になると考えているようです。

ただし、糖尿病性の下肢壊疽、脳梗塞、心筋梗塞、網膜症、腎症の予防についてのガイドラインではありません。7~8のレベルで下腿を失うことは少ないですが、透析移行する腎症は経験します。日本は外人とちがって、極端な肥満による糖尿はないという特殊性があります。肥満のない7~8は、高度肥満のそれより治療の質が問題となります。やせ型の患者さんは食事制限と運動で減量だけで、悪化した糖尿病においては治療にならないことがあります。投薬を強化しないといけない場合が多いです。アメリカ追従の血糖管理は静観して、日本の現状の6.5~7の基準でいきながら、低血糖について再度患者さん教育徹底というスタンスで、様子を見るのが日本の家庭医でしょうか。

War Erupts Over HbA1c Goals-Who ‘s Right?という煽情的な記事が、世界的な医療新聞のMEDPAGE TODAYにもありました。