新型肺炎の受容体、そして自分の小さな期待

昨今の、新型肺炎の続きです。ウイルス名はSARS-CoV2で、2019年のコロナ病ということでCovid-19というのは病名です。NEJMの3/1の編集者コメントも悲観的でした。大正時代のスペイン風邪と同じで、地域は限局せず、治療法がないという、前々世紀に戻った状態を悲観する論調が編集者からもれています。アメリカの最新鋭の病院で6回ぐらいレントゲンを撮ったり、数回CTを取って、ようやく肺炎が判明し、そのころに遅ればせながらPCR陽性がでるという、難物ウイルスであるという、症例報告もありました。わかっているのは、感染力は季節性インフルエンザより強かろう、症状はインフルより軽いが長期化すると肺炎になってしまう、さらに50歳以上、喫煙者、高血圧というキーワードでは死亡率はインフルエンザ以上になるということです。ACE2受容体に引っ付くという、ことは旧SARSから知られていました。高血圧の薬もこのACE受容体に関連しますが、ACE2はまた違う新たに発見された人由来酵素で、この新酵素の受容体は体の中でも、気管支に多くみられるようです。コロナウイルスが好んで引っ付く受容体であるということだけわかっています。さらにこの受容体を刺激すると、急性の呼吸不全になることもわかっています(日薬理147 120-121、2016年、2003のSARSあとからも地道に研究されていた)。鼻や腸や咽頭や気管にもACE2受容体があってコロナがまだ上気道に生息するうちは、鼻かぜやインフルエンザのような症状なのでしょう。気道気管を長旅して下行してゆくのか、血行にのって気管支動脈などから肺末梢に侵入するのか、いったん肺の末梢のACE2受容体にコロナがハマると、something terrible elseの化学反応のような盛大なサイトカイン刺激にかわるということです。全身の血管収縮や気管支刺激を引き起こすアンギオテンシン高血圧酵素系に反応する、医学生物学に挑戦するようなSARS-CoV2です。

 この受容体は置いといて。日本人はきっと、適切に指をきれいに、人の唾を吸い込まない、換気をしっかりして難局を乗り切ると確信しています。

  • 手でも指の腹や手のひらをきれいにする、アルコールでかぶれたら、石鹸で15秒洗う、石鹸でアカギレ出る人は常温流水で30秒間もみあらいする。袖が濡れるのが嫌で、いい加減な手洗いをするにしても、全指先を流水でながながと流す。
  • スマートフォン、キーボード、パネル、つり革、手すり、ドアノブは危険地帯、触ったら指洗う、アルコールで指も器械も拭く、アルコールなければ塩素系で器械を拭いて、さらに乾拭きでふき取る(用法容量は調べてくださいよ)。塩素系を手に直接つけてはだめだ。拭きすぎて器械が壊れるかもしれませんが、感染よりましです。
  • 人は顔を一日300回から1000回さわる→さわらない、汚い手で触りたかったらティッシュを介して
  • 50歳以上、喫煙者、高血圧の人は、人込みに行くときは注意、仕事なら仕方ないが、頑張ろう。
  • 咳や熱のある人は、外にでない、家で一人隔離して休んでてください。ポリティカルコレクトネス。しかし4日間微熱の人がまんじりともせず、自宅で体温を測って、市販薬飲んで様子を見ることは、コレクトでしょうか。心配な人は相談してくださいね。
  • 快食快眠快便、換気の良い場所で運動
  • 用もなくマスクや、口を遮蔽せず、意味のない長話をしない。唾を吸い込むぞ。直箸大皿料理、素手でピザやパンやおにぎり、ライブコンサート、密室での会合などは→覚悟のうえで頑張ろう。