大酒によるリンの低下 | 医療法人社団 こうち医院

大酒によるリンの低下

Electrolyte Disturbances in Patients with Chronic Alcohol-Use Disorder

ニューイングランド 2017年10月5日

この詳説の対象はウイスキーボトル半分を毎日の大量飲酒者(ビンジドリンカー)です。アルコールによる体内酸性化と電解質の特集です。慢性アル中ですと、肝硬変、静脈瘤吐血、ウエルニッケ脳症などビタミン不足など基本的な事項です。興味あったところをいくつか。日本ではホームレスの人でも、9%の安酎ハイを冷たいところでぐびぐびしています。考えられないことですが、海外のそれ系の人は凍結防止剤のエチレングリコールや死んでもいいのかメチルアルコールをあおるとのことです。エチレングリコールは尿結石で有名なシュウ酸を、メチルは視神経毒のギ酸に代わります。アルコール最終産物は、酢酸でなんとか脂肪に変化させるすべを人間はもっています。しかしシュウ酸では腎結石での急性腎不全や中枢神経沈着を、ギ酸は中枢神経毒性にて死に至るわけです。治療は何もなければ、アルコールを飲まして急性毒性が去るのを待つ以外ないようです。Fomepizoleというアルコール脱水素酵素阻害剤があって、アルコール、エチレングリコール、メチルアルコールの分解を遅らせて、急性毒性を防ぐ方法があります。防ぎながら、透析治療を行います。

 酸性だから、カリウムは上がるということはなく、利尿過多にて低下するようです。Beer protomaniaという言葉は初めて聞きましたが、ビール党は水ばかりで薄まって低ナトリウム血症になるようです。ビールで酔っ払おうとすると、巨体の外人は2リットルぐらいすぐです。豪州白人社会で、見聞したのですが、週末に12ダース144本の小瓶を金曜夜から日曜夜までに平らげる、病院職員の巨漢のおっさんがいました。電解質のない薄い液体ですから、体は薄まります。

 リンとマグネシウムも相当失われるようです。リン不足がエネルギーのATPにまで影響してしまって、心不全が最悪のシナリオのようです。利尿によるロス、アシドーシス、低カルシウムによる上皮小体ホルモンの影響とかで、リンがなくなるのが怖いとのことです。

 日本の老舗、上場メーカーが格安の9%酎ハイを作っています。糖質を抑えるとのことで甘味薬を使いあらゆる味を人工調整して大量販売しています。甘く、ウオッカ?のアルコールの臭みをうまく消して、女性でも500cc45gのアルコールがつるんと入って行きます。焼酎225cc、ウイスキーで110ccです。習慣性にもう一本飲む毎日が続くと、ウイスキー220cc毎日相当になりまして、上記のアルコールによる体のバランス異常がおこります。2.7ℓボトルの甲類とかを、目分量で許容酒量にまかせて、晩酌するおじさんも危険です。気が付くと7日間でなくなるという人は、アメリカのウイスキーがぶ飲みおじさんと同じです。