Rosacea ロゼーシャ

Rosacea ロゼーシャ

ニューイングランド2005年 352総説

Rosaceaという文字がNEJMの詳説一覧検索中に飛び込んできました。高級ラウンジの名みたいですし、スティングのRoxanneようでなんだろうかと、読んでゆくと、皮膚科の用語で酒焼けのような皮膚の変調のことをさしています。日本語では酒さと言います。さは皺のような渣のような、とても難しい字です。中高年の鼻を中心とした、酒焼けのような皮膚の炎症です。紫外線、アルコール、ストレス、寒冷刺激、温度刺激で悪化します。Erythematotelangiectaticやerythematous rosaceaともいわれる線状や赤い皮膚ていどから、ニキビ状のPapulopustularともacne rosaceaと目立つ状況、重症ではwhisky nose(whisky cokeですと永ちゃんの歌みたいですが)とも犀の鼻(rhinophyma)という状況になるようです。人口の10%程度で家族歴があるようです。塗り薬では、原虫駆除剤の塗布など荒療治で治ることがあるようです。飲み薬ではミノサイクリン長期投与(よく皮膚科のニキビ治療でつかわれます)が有名です。

Interventions for rosacea: abridged updated Cochrane systematic review including GRADE assessments 英国皮膚科学会 2015年6月号

最近ではイベルメクチン(Nobel Laureates大村先生の薬)塗布がより効果あり。

内服では血管拡張の赤味にα2アンタゴニストの緑内障の薬をオフラベル使用ですが塗布するのがよいとされます。飲み薬では日本未承認のニキビ治療薬イソトレチノインが有効であるとのことです。ただし催奇形性、炎症性腸疾患(他のミノサイクリン、ドキシサイクリンでも長期投与による副作用あり)、うつ病などの危険性から、日本では未承認です。