数日限定のコラムです。

年末年始で、検査する病院や医院が減っているのに、大量の新規患者数と報告されている。何十人の単位での誤差はあったとしても、どうも説明が難しい。私費診療でコマーシャルしている検査の陽性者が加味されたためであろうか。英国からの帰省者による新株によるものか?

PCR検査といっても、増幅の精度(ct値というらしい)や試薬で精度やコストが異なる。現在、一回判定料や初診料を除いて、14000円と保険定義されてしまっている。国は本体価格と判断料の自己負担額を全面負担することで公費“無料”としている。残額は国保や社保が負担することになる。いきなり画像のCT検査相当とまではならないが、数万円の高額な保険料と診断料が一挙に、公的負担になってしまったことになる。例えると、毎日首都圏で一万人が疾病対策でCT撮影を、保険診療し始めたことを想像すれば、大変なことになる。高値で競り落としたドイツ製の優秀なPCR試薬も底をついて代替の試薬になったようであるが、いまだに14000円の金額もどうかと思う。かといって主要検査会社の四半期決算が伸びているということもないので、検査会社が少し大変、国庫が中等度大変、保険者は大変、検査機関は身を挺して検査しているので勘弁願いたいが多少の黒字計上となる。コロナ病床をもつ首都圏の医療機関は大幅な黒字になるように補償してもらいたい。風が吹けばの経済原則に反して、病院群が赤字ともなれば、大変である。気候異常で、5年に一回こういうのが起こることも考えて、風が吹いてももうけ過ぎず、損せずの保険診療を、早急に策定されたい。巷間、米国の東海岸のコロナ専門病院はかなりの黒字収支を得ているというのであるが。

鼻の穴ちょっぴり法や唾液法(双方本邦のみ)からのPCR検査、抗原定量(誰がしている?)、100万円台での機器として市販化された空港検疫などで良く行われているランプ法(核酸の検査には違いないが、鼻咽頭ぬぐい液によるPCRには劣る。一回の試薬キットも6000円程度)、抗原定性(一回6000円潤沢供給)などを組み合わせて、陽性人数を多く把握できるようになったのは、大変便利なことだ。精度は知らないが、民間の3000円での唾液検査、私費クリニックの1万円の唾液検査(ドイツ製の純正試薬ではないだろう)などが、電車中づり広告からも周知されつつある。コロナでは到底大丈夫そうな体育会系タレントが宣伝したりしている。これは私費診療としての、念のための検査で陰性結果がほとんどと思われるし、それを期待して社会是として商業化したのであろう。これらの民間機関からの陽性者も保健所への報告が要請されているため、いかんともしがたい、大量陽性者数の絶対量が浮き彫りになりはじめた。今のところ数字的には、幸いに相関はしていないが、重症者も増加、死者も増加している。深刻な事態に突入したと考えてよい。

医療崩壊の懸念というが、地域ヘルスサービスが重症度を選定して、入院や療養ビジホに挺身搬送隊を結成して、逐次搬送している現状である。保健師さんたちに、崩壊過程の把握をしてもらうのは酷というものだ。自宅療養からの急変、急死が多くなるのが今後の流れになるのは恐ろしい。ベッド数は満床に至る前に、たくさんの人がたどり着かないことが今後おこる。これを把握する公的機関はない。現在ベッドコントロールを担う、地域のヘルスサービス機関では、受け持ちの待機患者でこんなに、ネガティブなことが起きてしまいましたと、上部機関やマスコミに報告することは悲劇である。患者家族の親告をマスコミが精査報道して、医療崩壊の概念を国民と公的機関が共有するという、草の根的というか自壊的な崩壊が予想される。崩壊しても、各病院の有志の善意で支えることは、日本の医療人なら確信している。自分も武者震いしつつ覚悟している。

おしまいに、疫病蔓延時にワクチンを投与したことは、先の新型インフルエンザの時に経験しているが、その時はタミフルなどの治療薬もしっかりあったことを忘れてはならない。体育館に医療人を一挙に集めて、集団接種などでは当然、クラスター発生の温床になるなど、前もって考えていると思うが。机の上で、優秀な人達が、ワクチン接種計画を策案していると思うが、いろんな人の意見を聞いて、現実的なものにしてもらいたい。少なくともオリンピックに間に合わすことを第一目標にしないでもらいたい。慌てた作戦では、ワクチンの安全な配布や接種は難しい。是非、いつもワクチンをしている、区役所や医師会レベルの町の医療提供者にも聞いてもらいたい。