ホワイトグレープフルーツ | 医療法人社団 こうち医院

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Grapefruit–medication interactions: Forbidden fruitor avoidable consequences?

Grapefruit–drug interactions カナダ医学会雑誌2013年3

血圧の薬、コレステロールの薬では、グレープフルーツは控えましょうは15年ぐらいまえから有名な話ですが、よく勉強してみました。

スタチン製剤の吸収では小腸内膜の上皮にある酵素CYP3A4(第7染色体にコード)によって、さんざん分解され拒絶されます。そしてその残り物が吸収され門脈に、さらに肝臓で分解されまくりその残りが血中をただよって、最後に肝臓内での自己コレステロール産生を阻害するというしくみです。口から血中までの過程で利用できる成分が減少してゆきます。オーラルバイオアベイラビリティーといって、これが低い薬は大量に投与しなければ薬効が得られないので、効率が問題になります。そういう薬が大量に開発販売されています。スタチン以外にも、降圧剤、抗うつ、抗がん、抗凝固、水虫、など大量の薬に関係しています。個人により酵素活性が違うのですが、酵素の力が強すぎると薬が効きません。薬の人による効果の差はこの酵素も関係しています。逆にこの酵素が好んで代謝する食べ物があります。よく知られた話ですが、グレープフルーツです。カナダの先生たちが最初に提唱したので良く引用される文献でこれを読みました。白グレープフルーツの皮や実にあるフラボノイドのナリンギン ネリオシトリン ルチンなどもこの酵素に反応します。とくにFuranocoumarins のファミリーはCYP3A4の活性を永久的(自殺酵素というひどい英語表現あります)に奪ってしまうとされます。次にあらたにCYP3A4が自己誘導されるまで、小腸での無制限の薬の吸収がおこるわけです。スタチンを例に挙げると、4時間のうちにグレープフルーツジュースや果肉一つなどを併用すると、通常の数倍の血中濃度になってしまって、中には横紋筋融解という致命的合併症に陥るとされます。果肉にあって皮に少ないとも、皮に多く果肉に少ないともいわれますが、実際はフラノクマリンには数種類あって、皮、果肉に均等にあると思ってよいようです。ルビー色のグレープフルーツやミカンやオレンジは大丈夫のようです。白い柑橘系ですと八朔もよくないので、白い柑橘ジュースや白い柑橘類の摂取に注意するということです。この論文の表ですと、30種以上の薬の影響をvery strong, strong, moderateとわけていました。very strong影響はLovastatin、Simvastatin エプレレノン、ドンペリドン(米国添付文書では禁忌、日本添付文書ではグレープフルーツの文字みあたらず)でした。オーラルバイオアベイラビリティ極端に少なく、本来は口から入れて20%程度が血中に残れば御の字の薬が、グレープフルーツと前後4時間以内に摂取すると、小腸で失効をうけず、怒涛のごとく門脈内に入り込むことが想定されると改めて己を戒める論文でした。薬を飲む人は少なくともグレープフルーツジュースはあきらめといたほうが無難に思えてきます。グレープフルーツサワーも薬と同時に内服はさけたほうが身のためです。臨床医として27年とか言っても、もっともっと勉強することはあると反省しきりです。薬にまつわる新知見をしばらく勉強します。