ワクチンを先に開発したものが、今後の世界のイニシアティブをとると、経済界や政治家や軍人は考えていると思う。あっと言わせる、技術と科学力の差で、コロナを撃退できるという、富と権力への肉食系の人達はお持ちであろう。たまらない一発逆転劇に思いをはせるいるのであろう。いろんな病気にワクチンができたのだから、早く作ってしまえ、いや作るんだぞと、ワクチンの先物期待感は活況だ。コロナワクチンの開発は国家間の競争となって、かつての冷戦構造での、宇宙開発軍事競争たけなわの出来事である、スプートニクショックにたとえる人がいる。
スプートニクショックとは1957年の歴史的エポックである。同年旧ソ連が世界初の人工衛星打ち上げに成功して、西側(米国と007の英国)が泡を食って、宇宙開発を本格的に行う起爆剤になった歴史現象である。軍事的優位性の競争となって、米国は月面着陸まで行うデモンストレーション、スペースシャトルまで繰り出したところで、ソ連も崩壊して、競争相手がいなくなって、つまんなくなって、スペースシャトルは取りやめとなった。宇宙からミサイルを打つのは、できるのであろうが、タブー視されているのか、世界のどこかで攻撃をくらった話は聞いていない。とんでもない禍はもたらすことなかったのは良いことである。宇宙開発で、医学から生物学から物理学にいたるまで、世紀の大発見や大発明はないと言ったら怒られよう。実を取る各国政府は無駄と思ったのか、民間に払い下げて、良きに計らえとなっている。人類は温暖化現象を宇宙から見守るだけであるが容易に、目視実感できるようになった。GPS機能も軍事目的から民間も利用できるようになってポケモンもできるし、知らない裏道を車で疾走することもできる。スプートニクショックも、半世紀たてば、人類をやや良い方向にもってきたので、良しとできる。ワクチン開発が歴史のエポックになるのか。
ワクチンを米国では年末に打つと予定しているが、水を差すようであるが効果があるのであろうか。
2019年のワクチン産業協会の冊子、インフルエンザ効果判定(ラジオ日経2019/11/18)、馬のウエストナイルウイルス感染症(2019年日本畜産会)、DNAワクチンの英語ウイキから、その参考文献アブストラクト。以上参考文献
年末に米国民1億人に打とうとするワクチンに、本当に期待できるのか、安全なのか、疑問がわいてきた。少なくとも、スプートニクショックにはなりそうにないことは、予想できる。1990年台から、細菌の細胞質、無害ウイルスの核酸情報に敵ウイルスの病原蛋白なり、先天病の担当病原遺伝子を組み込み、これを注射したり、塗ったりする、遺伝子治療が出現している。遺伝銃などと言われて、臨床応用されているが、確立した治療法としては明記できるものはない。簡単に言うと、癌予防のワクチン、高血圧予防のワクチン、エイズのワクチンなどがないことで納得してゆく必要がある。筋肉の中に、無害な病原体を注入してそれからブクブクとコロナ病原蛋白が無害病原体から発現するのを待つ。その蛋白にどのような抗体が出現するのか、どのようなリンパ球が活躍するのかは、あなた次第というワクチンである。筋肉の中でうまく毒蛋白が作れなかったら、効果がない。作りすぎると、過剰に抗体ができて、本当にコロナに遭遇した時にとてつもない反応も予想されるという(ADEなどとニュースで言われている)。DNAワクチンは、作りやすく、大量生産もしやすく、コストも安いというメリットは、2000年から言われているが、20年たっても、再生医療もそうであるが、実現がかないそうで叶わない、難物である。臨床応用はウマのウエストナイル熱で行われたようであるが、日本ではそのワクチンを使用しないし、米国でも馬の脳炎を有意に回避できたという有効率を表すものはなかった。
ワクチン開発は科学の経時的な発達だけで片付けられるものではない。今までのワクチン開発は、運で成り立っている。ウズラや鶏の卵や胚、ミドリ猿腎臓、蛾の幼虫、ハムスターで純粋に異種生物由来の異物病原体混入なく、継代培養抽出する。何の動物の細胞がいいのかは、門外不出、一子相伝の研究者の求道精神で偶然発見されたものである。その病原を抽出して、病原性の弱い種族を培養して薄めてそのままが生ワクチン(はしか、風疹、おたふく、水痘、ロタ、BCG)、病原そのものをホルマリンで弱毒させたのが不活化ワクチン(インフル、日本脳炎、B肝、A肝、子宮頸がん、新ポリオ、肺炎球菌、ヒブ、百日咳)、毒性を抽出してそれをホルマリンでよわめたのがトキソイド(ジフテリア、破傷風)である。微生物学の歴史を100年以上かけて開発された、人類の英知の結晶のように思えてくる。
数年かけて従来型の安全な効果的なワクチンを、各国のワクチン製造企業がコツコツとワンチームで開発したら喧嘩が起きないように思います。