これからの展開を予測してみます。医院近傍の予想から述べてゆきましょうか。現在PCRの件数が増加しています。今後もっと増えてきます。一重に開業医→民間検査機関が参加できるようになったからです。件数が足らないぞ、増やせという国民の声から、わずか3か月で開業医にまで検査が可能となったのは、大変異例なことです。東京都と都区医師会の英断と思います。これにて医院の中で様々な、策がとれます。発熱患者が来ても、初期対応ができるようになって、重症者を保健所さんに丸投げすることもなくなりました。医院近傍の患者さんをコロナから、完全ではないですが、最悪の事態を避ける対策がとれます。陰圧室を準備し、防護装備をそなえ、高価ですが大量のエタノール消毒をそろえたのは、今後大いに威力を発揮します。PCRでのコロナ診断、インフルエンザ鑑別、その他の感染症診断が安全に的確にできそうです。医院としては一安心しています。近隣の方々も安心して診断に臨んでください。適切な治療に連携してゆきます。
広島弁で、男はコマイ(細かい)銭の話、すんなやーと恫喝されそうですが。一回の陰圧室使用で防護服や消毒で2000円が出費になっているという事実は、今後改善できたら幸甚です。医療機関がAmazonやASKULの高額商品で感染防護を用意しているというミゼラブルな状況です。医療系の卸問屋にはエタノールも防護服も流通していません。エタノール消毒液は、加減がわからないので、外国のテレビ映像のように農薬散布の噴霧器でビショビショに陰圧スペースとその周辺にまいていますが、一回500円以上を空中に放逸している計算になります。アルコール換算でウイスキーボトル一本をお清めに使っていることになります。効きそうです。まいているアルコールのことを考えると胸がいっぱいになって、自分自身はアルコールを飲めなくなってしまいました。唾液によるPCRはどこで採取しても安全という考えもありますが、数分間にわたって唾を吐きだす最中に飛沫やエアロゾルが皆無であるとは、誰も科学的に証明していません。次に診察する患者さんや、接する職員への安全の担保には、自分はやや重装備で唾液PCRに臨みたいです。
東京都全体をみると、どんどん患者数は増えて毎日500人の者などが常態化すると思います。これは欧州コロナの死亡率10%と異なり死亡率が数%の西海岸ウイルス株だからです。死亡者が少ないので、逆にうつりやすいというウイルス学の原則があてはまります。人的交流を行政は敢えて止めずに、静観しています。また発症から10日で無症状者は退院可能という線引きも、患者数増加を敢えて見守ることになっています(発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能)。かかっても若い人であれば、7日間程度隔離して、社会復帰が可能ということです。現在は若年者だけが罹患している傾向なので、現行の行政による静観はまだ、短期間は合目的かもしれません。しかし60歳以上の高齢者の集団発生が散見されるようになったら、大変なことになります。来週末とかに高齢者の割合が増加し、東京都500名/日の感染となったら、行政の静観策は早くも、修正する必要があります。老人施設のクラスターが報告された瞬間からが本当の第二波です。当院は、防護服や消毒液が尽きるまでになりますが、粛々と、対応して、近隣の荒波を少しでもコントロールしたいです。