Characteristics of men who report persistent sexual symptoms after Finasteride use for hair loss. 2016 9月
フィナステリドが薄毛治療で登場して10年以上経過し、安売りのジェネリックも出回っています。
性機能障害や無精子症などを北米で訴えが起きています。Castratedされたなどと、集団訴訟がありますが、もともと副作用に銘記されて、自己決断で内服しているわけで、おそらく因果関係の証明はできないと思われます。
製薬メーカーはどんと構えています。根拠論文の一つがあります。The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 101, Issue 12, 1 December 2016
25人の投薬治療中で元気がなくなってしまった人、13人の投薬中止で元気な人達、18人の元気な人達、すべて50歳以下で、その他のドーピング既往のないものをリクルートしました。テストステロンとその代謝物ホルモン、ホルモン受容体、遺伝子までしらべて3者に全く差はないようです。
うつ傾向にある人は大脳辺縁系の血流不足と低酸素がおこるようで、それが性機能に関与しているのではないかと、機能MRIから類推していました。
フィナステリドの添付文書引用しますと、頻度不明、睾丸痛、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等 本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。
同系のデュタステリドは前立腺肥大症男性に保険適応ですが、当然薄毛治療効果も入っています。ハリソン内科学では前立腺癌予防を見据えた、reduce trialを引用して
Effect of Dutasteride on the Risk of Prostate Cancer ニューイングランド2010年
前立腺癌予防効果の論文が出ていました。
重大な副作用は経験ありません。AGAでは自身のご納得の上、私費での服用です。いまのところ長期安全に使用できる薬と思われます。