Prevention of M. tuberculosis Infection with H4:IC31 Vaccine or BCG Revaccination.
2018年7/12ニューイングランド
BCG接種は日本では生後5か月から8か月でハンコ注射します。大人になっても跡が残ります。新しい結核ワクチンがあるようです。
南アフリカでBCGと新規ワクチンを比較したようです。QFT陰性の南アフリカ990人での二重盲検試験です。発症者もなく、注射サイトの傷の治りがBCGより悪くなかったようです。
結核動向:日本の結核罹患率は2010年に人口10万人あたり18.2人で、10人以下となっている欧米先進国に比べまだまだ結核は多く、世界の中では依然「中まん延国」とされています。最新の方式はリファンピシン(RNAポリメラーゼに作用 副作用肝障害)、イソニアジド(細菌のカタラーゼで活性のプロドラッグ、B6ピリドキシン必須で枯渇すると有名な末梢神経障害や視神経炎)という2種類を軸に最初4剤、続いて2~3剤を合計6カ月間使う、というのが主流です。外国人語学留学労働急増です。色々調べましたが、結核などの疾病罹患やワクチン接種の有無は、現地ビザ申請や入学願書でのオネスト申告のようです。今後アジアからの結核患者が増えるという、保健所からの話を先般聞きました。日本語学校で独自に健康管理していると聞いてます。大丈夫でしょうか。北米、オセアニア、欧州の語学研修では4週間滞在でも、すべての当該国のワクチン制度にのっとった、接種義務が日本人子弟に課せられます。夏休みの短期留学でも四苦八苦、ワクチンを取り寄せたりしていますが。外国人労働者の人の受診も増えているので、また調べてみます。
診断:ツベルクリン反応:精製ツベルクリン(Purified Protein Derivative、PPD)は結核菌を合成液体培地で培養、殺菌、濾過、濃縮後に硫酸アンモニウムで沈殿させ、脱塩、濾過、凍結乾燥して作製したもの、皮下注して、48時間後の反応を見る。膿むような反応では、確実に結核罹患と判断できるが、微妙な判定になることあり
Interferon gamma release assay:IGRA
QFT:結核罹患者リンパ球から出るインターフェロンγ濃度を測定。第4世代まで開発されて、感度特異度上昇中
T-SPOT::インターフェロンγのリンパ球を厳選して行う検査で、潜在性結核感染症 (LTBI)の検出に優れる。
陰性の者が接触して陽性になれば治療を考慮になるが、高齢者では結核蔓延を生き抜いて免疫がある状態においても陽性になったり、上記論文のように、結核に免疫ができて陽性になったのか、判断が難しい。要は、6か月大量の薬を飲むかの混ざるかの判定になるのでいくら精度が上がっても、決断には気合がいるようです。ステロイド使用、HIV、塵肺、肺の影などがあれば積極的な予防投与が勧告されているようです。
予防接種:BCG Bacille de Calmette et Guérin の略、カルメット・ゲラン桿菌、牛の結核を用いた生ワクチン接種。
H4:IC31 Vaccine:開発中の不活化結核ワクチンでH4というのはリコンビナント菌体抗原蛋白でIC31はリンパ球刺激のアジュバントのようで、この論文でフェーズ3終了という感じのようです。