狼→野生犬→ペット

Ancient European dog genomes reveal continuity since the Early Neolithic

2017年6月号ネーチャー 600回以上マスコミを含めてとりあげられています。

犬はオオカミから変化して、村の野犬となって、だんだん人に飼いならされ(domestication)、狩猟や愛玩犬となってきたことは容易に想像つきます。この論文はヨーロッパ犬種のゲノム解析において2つの発見があったようで、その筋では騒然?となったようです。

 ヨーロッパの犬は狼から1万5000年前に分家し登場しました。石器時代(4000年から7000年前)の最後にアジアから犬の大移動にて交雑がおこり、犬の遺伝子が変化して4000年前ぐらいから家畜化されたという説がありました。ドイツ ボン近郊の石器時代の農村遺跡で7000年前のペット犬と5000年前のペット犬と思われる化石がみつかり遺伝子を調べました。人骨に混ざっていたからペットとしたのか、食われた後なのかは判然としないところが気になりますが。全世界の犬種、オオカミ、ジャッカル、コヨーテから家系図を作ったようです。すると7000年前の犬にもすでにアジアの血が入っていることがわかりました。犬の民族大移動説は否定されて、石器時代の初めにはアジアの血が入ってきたようです。

 家畜犬であるかどうかの判定は、AMY2Bという遺伝子の数らしいです。アミラーゼをコードする遺伝子で、でんぷんを分解する酵素を誘導するものです。肉のみでなく穀類も食べることで人に飼われていたことの証明にしていたようです。しかしながら7000年前の家畜の化石には含まれていなさそうで、5000年前のペットの犬の化石には含まれていたようです。

  1. 家畜として村で過ごすためにはある程度でんぷん系(スターチ)の残飯も食べないと、家畜としては成立しないという考えはやめよう。
  2. アジアとの交雑によってヨーロッパ犬種のペットの歴史がはじまったというのも違っている。

 

なんとかまとめましたが、遺伝学専門用語ばかりで難しすぎで、犬がかわいくなるような論文ではありませんでした。取り上げたBBCも昔からヨーロッパの犬は人懐こくペットになっていましたという曖昧なとりあげかたでした。

超要約は農村遺跡から肉食のペット犬の化石が7000年前から存在したということです。

我が家の犬がどのような食事か、記して終わります。

鶏の副産物(アルギニン源である新鮮な鶏肉の内臓のみ(鶏の肝臓を含む))、とうもろこしのミール、新鮮な鶏肉、オートミール、乾燥甜菜果肉、醸造用乾燥イースト、亜麻仁、DL-メチオニン、L-リジン、プロピオン酸ナトリウム、混合トコフェロール、ビタミンA酢酸塩、ビタミンD3補強剤、ビタミンE補強剤、リボフラビン補強剤、ナイアシン、ビオチン、塩化コリン、葉酸、硝酸チアミン、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、アスコルビン酸、ビタミンB12補強剤、パントテン酸D-カルシウム、酸化マンガン、イノシトール、BHA、硫化鉄、硫酸銅、酸化亜鉛、炭酸コバルト、ヨウ化カリウム、亜セレン酸ナトリウム、ローズマリー抽出物

炭水化物は70%でした。栄養をつけるタイプでは炭水化物を60%にしていました。生意気にも米国製なので米は入っていません。人間より炭水化物を食べていますが、アマニ油など不飽和脂肪酸やビタミン全種入っていてゴージャス完全栄養食でした。肉食の狼由来ですがだんだん炭水化物が食べられるようになっているようです。柴犬にAMY2B発現が特に多く、残飯に味噌汁ぶっかけた、いわゆる犬飯が合目的かどうか調べるとネーチャーに掲載できるかもしれません。