日本でできない外科研究

Arthroscopic subacromial decompression for subacromial shoulder pain: a multicentre, pragmatic parallel group, placebo-controlled, three-group, randomised surgical trial.2017年ランセット11月20日

肩峰下インビンジメントの外科治療の是非を問うランセット掲載論文。オックスフォード大学主導のようです。鎖骨の横の飛び出している峰がありますが、その下が腱と引っかかったり、骨の棘が引っ掛かったりして、日本でも結構おられます。オーバーヘッドスポーツの障害で知られます。この研究も50歳台を平均とする集団313名を対象にしていました。専門外ですので、どう治すかというのは専門の整形外科の先生や老練な柔整師などにお願いするばかりです。300人を3チームに振り分けました。肩をバッサリ切開して掃除をする手術をしたチーム、肩の皮膚を少し切開だけして別創から関節鏡挿入の観察だけで治療なしチーム と リハビリのみのチーム。バッサリチームと観察だけチームでは1年後あたりの肩の調子がかなり良かったようです。バッサリチームと観察だけチームの差はありませんでした。手術をするほうが良いという結論でなく、手術もしくは侵襲的観察をするほど手間をかけると、プラセボ(ホーソン)効果があることを考察で認めていました。リハビリだけでは気合がはいらず、全身麻酔の手術をしたほうが、リハビリ頑張れるのでしょうか。肩に傷をつけて観察だけで、治療はしていないことを患者に伏せるまでのことをしなければ、外科系の論文はランセットに載らないんでしょうかね。