心房細動、治療の新展開?

Risk of stroke and transient ischaemic attack in patients with

a diagnosis of resolved atrial fibrillation: retrospective cohort

studies 英国医師会雑誌2018年4月

11 159 人の心房細動治った群 15 059人の現在心房細動

22 266 人の正常洞調律のコントロールで脳梗塞や死亡率を比べてみました。15年間に及ぶ観察です。正常に比べて治った群でも1.6倍脳梗塞になりやすい。現在心房細動より20%脳梗塞リスクは減るが、やはりかつて心房細動であったものは脳梗塞になりやすいというデータでした。死亡率も同じように心房細動を治した人は正常の人より10%強死亡率が上がるようです。心房細動のままよりも治したほうが死亡率は40%も下がるというデータでした。15年間のうち、脳梗塞の頻度は3から5%、死亡率は10%の頻度の話です。危険率上昇としてはかなり統計学的にも有意な結果だと思います。新規抗凝固がたくさん出て、脳出血がすくないとか、塞栓症予防をワーファリンと非劣性とかで、心房細動の血栓にフィーチャーしている時代です。心房細動は、心臓弁膜症が軽くある人から発生する事実、心房細動は確実に心不全の方向に行く事実、どきどき動悸を抑える薬にも副作用がある事実を認識したいです。カテーテル治療は今後ますます成功率も高まります。徐脈でペースメーカを入れるようになることが懸念されますが、ペースメーカも大変進歩していますし、ペースメーカを入れることで生活や運動の質も向上します。血栓だけ抑えておけばというだけでなく、不整脈そのものをコントロールして、さらに抗凝固や抗血小板剤で脳梗塞を予防するという展開になるかもしれません。