尿酸がらみ2

痛風特集

ランセットとNEJMと尿酸と痛風

ランセット2016年10月22日とニューイングランド

高尿酸血症は肝臓におけるプリン代謝の産物で、食事やアルコール由来であることは前回のべました。双子研究では遺伝的な要素が証明が大昔からいわれています。分子レベルで各種のトランスポーターの活性に由来することまでつきとめられていました。私では理解不能の尿細管側の分子→再吸収血管への分子構造にて再吸収メカニズム。その逆も血管→尿細管への分泌調整の分子機構までわかっているようです。また高尿酸血症→痛風と単純ではなく。尿酸がただただ関節に沈着するトフィー結節型もあるようです。これは温度が低く、体が酸性になると、低い尿酸値でもどんどん沈着して肘や、足の親指の付け根が瘤瘤になるようです。酒を飲んで体を酸性にして、いい気持で、足を布団の外に出して、眠ると、スヤスヤ寝ているだけで瘤結の結節を作るということです。スポーツをした夜、深酒した翌朝必ず、痛風になる人がいますが、そのメカニズムも分子レベルで分かったようです。尿酸結晶を貪食したマクロファージがアポトーシス酵素カスパーゼの影響でacute flareを起こすようです。それに拍車をかけるのが、悪玉コレステロールや酸化ストレス(スポーツや仕事のストレス)で、自然免疫のToll様受容体を活性化して尿酸結晶の貪食を容認加速します。

 高尿酸血症でもよいことがあるようです。認知症やパーキンソン病を防ぐ効果があるようです、ビタミンCがわりの抗酸化物資としてのふるまいもあります。

 食事系でもトマトは尿酸を上げる、コーヒーは尿酸を下げるが痛風発作をやや上げるというようなことも書いてありました。

 尿酸の心血管合併症など、尿酸といえばChoi先生というのがカナダにいるようでその人の論文をよんでみました(Circulation20078月)。これでは高ければ高いほど悪いことになります。しかし、尿酸はもしかしたら人間の作るビタミンCのような抗酸化物質ではないかというような噂を聞いたことがありますし。それで説明のできる、尿酸産生阻害剤の新旧二種についての論文を明日。