夏の脱水とか低Na血症とか

利尿剤入りの降圧剤内服の高齢者は夏季に低ナトリウム血症になるのに気を付けましょう。発汗と減塩習慣が高齢者の熱中症というか低ナトリウム血症を引き起こすと思うのは僕だけでしょうか。過去に10名以上、原因不明の傾眠、高度便秘、認知機能低下で相談を受けて、降圧剤一旦中止、塩分多めの食事にて復活を遂げた老人がいます。ひどい場合はミネラルコルチコイド含有のfludrocortisone  acetate内服させたりしました。復活には1か月かかりました。ちなみにドレニゾンテープはケロイドの傷に貼る薬ですがこれもfludrocortisone  acetateです。115mEq/l以下の低ナトリウムは痙攣意識障害がでてくるので、急速補正ありです。Critical Care 2013 206 1-14では3%NaClを(製剤が海外ではあるのでしょうか)2mEq/kg/hで24時間以内で8mEq/l以上上がらないように恐る恐る大胆に入れる。日本の研修医御法度では3%をなんとか手作りで作成し、1mEq/kg/hを10時間入れることも可能とか、10mEq上げてもよいと解釈できるか。あまりやると橋中心髄鞘融解がこわいと双方警告しています。これらの情報から中を取って、3%作る1mEq/kg/h8時間を目安に、意識レベルやナトリウム濃度気にしながら入れてゆくということでしょうか。もっとも下痢や熱中症や抗がん剤嘔吐やSIADHやらなにやらがあればその根本も視野に入れながら、総合的に知恵を絞る必要があるのでしょう。