クイックテイク
Twelve or 30 Months of Dual Antiplatelet Therapy after Drug-Eluting Stents
2014 12月 心臓関係なのでリスニングはほぼわかりました。
ステント治療に対しては、無症候性の冠動脈狭窄に対する保険の制約がでたようですが、ステントそのものがとてもよくなって、バイパス手術より勝手がよい感じとなっています。動脈硬化の変化が少ない抗生剤や免疫抑制剤を塗り付けて、開存率は10年前ぐらいから半年であったものが5年10年となってきています。それは、ステントそのものの改良と、抗血小板剤の改良も寄与しています。もともとのアスピリン少量投与はプロスタグランディン代謝必須のシクロオキシゲナーゼ阻害することで、血小板凝固のトロンボキサンを阻害します。バイパス手術や小血栓予防などで多用されます。よく言うのは80歳以上まで内服できた人は、病気の予防が観察されるという遠回しに評価される廉価な薬です。クロピドグレルはもともとパナルジン(強力な抗血小板作用で、効果は高いが、出血イベントと隣り合わせ)の仲間の薬ですが、血小板表面ADP受容体であるP2Y12受容体を阻害する薬です。酸化酵素CYP3C19の活性に左右されるため、その酵素活性の遺伝子多型や特定のプロトンポンプ阻害剤で効果が不安定とされます(ステントの先生はエソメプラゾール マグネシウム水和物をよく使います)。そこで発展したエフィエントが登場したという歴史があります。この論文は、バイアスピリン単独 対 エフィエントなどを併用したら、ステント治療後の、心血管事故防げるか、出血事故はどうだ、生命予後はどうだという10000人研究です。18か月で、単独で1%つまる 対 双方併用で0.3%つまる。を70%相対危険率が下がるといいます。0.7%絶対危険率が下がるといいます。70%も危険が回避されると気が大きくなりますが、何を飲んでも99%は安全だという生データーを無視して、70%良いことだけを頭に入れてはならんと思いました。21か月での死亡リスクは、2.3% 対 1.8%で相対危険率は廉価アスピリン単独で22%低い、という言い方になります。ということで、閉塞リスクの少ない併用療法が主流で、6か月とか1年あたりはしっかりと併用を行うことに日本でもなっています。出血リスクを減らすため、胃潰瘍防止の銘柄はエソメプラゾール マグネシウム水和物が主流になっています。ステント安定し単剤投与になって開業医に戻ってからは、付け合わせの胃薬ですが、高価高容量長期投与につき我慢相成らんと、レセプト審査でだめだしを受けることがあるとも聞きます。