ポストコロナー他業種の知恵も金

結論:コロナ感染対応のスペースを秀吉の一夜城のように普請する際は、コロナより小さい粉塵と戦うアスベストファイターに学ぼう。

サージカルマスクは5μmの線維の隙間で、コロナウイルス0.1μmの直径なので素通りする。しかしコロナウイルス感染は、0.1μmが単独で空中を漂って口鼻目に入って感染する、はしかや結核のような空気感染ではない。N-95マスクとは0.3μmの粒子を95%除去すると定義され、素材によっては100%除去するマスクもあるが、これは後で言うアスベストファイターたちが使うものである。飛沫はもっと巨大で2m ソーシャルディスタンシングしたら、地上に落下し、乾燥蒸発してコロナ粉末(飛沫核)になる。粉末コロナは数時間活性持つ場合と72時間も感染力があるともいわれる。恐ろしいのがカラオケなどで、兄弟船のように妙にコブシをきかせると、下気道から絞り出した、飛沫がエアロゾルとなることである。湿度の高い状態であると、唾風船がただようように、30分とも3時間ともいろいろあるが、大きさが0.1から1μmのエアロゾルとなって華麗に空中を漂う。N-95が医療従事者に必須というのは、連発してコブシを利かした咳をした患者の、大きな飛沫はなるほどサージカルマスクでいいが、エアロゾルに対してサージカルマスクは無効ということを踏まえてのことである。

N-95や防御服を着用していても医療従事者が感染するのと、白衣とサージカルマスクで救急外来で感染するのとは意味が違う。前者はマスクのフィットが悪く漏れてしまった、顔の露出部分の汗があとで目に入った、曇ってゴーグルを少し外したすきに目に入った、防護服を脱ぐときにすこし胸やマスク前面やゴーグル表面を触った。何十回も過酷な現場の侵入脱出を繰り返せば名誉の負傷で、国が勲章や報奨金を出してあげてください。後者の白衣とサージカルの装備だけでは、コロナに対しては、大変心もとなく、軽装備による院内感染は、ゾーニングの不十分や物資不足によるものであって、病院や介護施設の自己責任と言われても致し方ない。

東京都では急ピッチで、新造の感染病棟を作っている。秀吉の墨俣城のように数日で感染対応の要塞にしなければならない。陰圧室の設置などというようなものは平時にやっておかなければうまくいかない。数日の突貫工事が得意なのは、誰かを考えよう。ウイルスより小さいものと戦うアスベストファイターである。アスベストは別名石綿でかつては、耐火性から断熱材に使われていたが、粉がウイルスより小さすぎて、肺の末梢にまで沈殿してしまい、肺がんや悪性胸膜がんを起こすことから、資材としては猛毒粉塵と国際的に糾弾されたため、ビルの建て替えなどでその猛毒を安全に取り除く職能集団が必要となった。彼らは、ウイルスの半分の大きさの粉と毎日戦っているのである。被ばくしない細心の注意、衣服につけて洗濯を介して家族に胸膜のがんの中皮腫をおこさせない、作業している場所のすぐ外にいる一般人を被爆させない。発がんや訴訟のリスクを避けるために、知識と技術がある。人工的に空間を密閉して、空気の流れは、送気口からフィルター付きの排気口の一方向だけにする。防護服はまさに感染防護服と全く同じ、脱ぐほうが汚染するなどはもちろん周知徹底、着脱にかけては毎日着ているからプロである。彼らの技術の何を、墨俣城に生かすかというと、空間密閉能力である。こうち医院も普請してもらったが、1時間もしないうちに一坪程度のスペースを強靭なビニールと木枠で密閉してみせた。出入りはアスベストも通さない、ジッパーである。ジッパー越しに内部で送気すると、換気口からのみ空気がでる。扇風機から換気口までの直線状の気流となる。手術室などで使っているクリーンルームの即席といえる。これを病室の入り口を密閉、労働安全の法令順守の標準的な煙を用いた風洞実験をすると、ジッパー越しに送気すると換気扇だけに空気が進むという現象が起こる。患者の状態によるが、ベッド上安静で咳をしている患者が数人いる環境であれば、患者のこぶしの効いた咳が、どっちに流れるかが予測できて、ゴルフで言うと自分がエアロゾルのアゲインストにいないように、診療中自身の被ばくを防ぐ判断材料になる。口と排気口を結んだラインでエアロゾルとチキンレースをしないようになるともいえる。院内感染が防げると思う。トイレなどにも入り口を密閉して、入り口をジッパーにして、送気換気をすれば、トイレから廊下に、患者移動の度に大量のコロナが舞い踊ることは防げる。外にテントを張って、発熱外来というが、真冬ならそれこそ外で待つ人は肺炎になる。サンルームのように、導線が一般患者と別の、屋内の窓が大きく外気が取れるところを、木とビニールだけで密閉ボックスを数時間でこしらえたら、何もテントを張る必要ない。中で拭おうとも、採血しようとも、一節自慢のこぶしを聞かそうとも、診療行為での飛沫エアロゾルが、廊下に漏れることはない。自身のクリニックでは、別導線の侵入経路でははsocial distancingしてマスクしていても咳エチケットを強くすすめている。

ウイルスより小さいアスベストの空間浮遊量を測定する、アスベスト検出器がある。コロナ検出器などを開発して、密室におけるイベント開催の可否などができるようになれば、イベンターや音楽業界も喜ぶのでは。コロナに核酸アナログプロドラッグでポリメラーゼを競合阻害するRemdesivireが効いたというのがニューイングランドにあったが、重症から歩ける人まで投与した結果が出ているだけで、68%に効いたというが、80%はほっといても治る病気なので、今一といえる。

何年もかかるワクチンや薬より、過酷な戦いをして完成した技術を持つ、他業種の知恵で、とりあえずかわすのも大事である。コロナに正面攻撃しては、二百三高地の大虐殺になる。百発百中の大砲は百発1中の砲一門に勝るという、数学的と言わない東郷平八郎式のPCR能力の東京で、コロナとの大海戦になりそうな予感である。予期していたごとくなぜか粛々とコロナと会戦している冷静なドイツを除いては、コロナに劣性の世界の医療現場。今こそ、日本は、斜にかまえて、コロナに気づかれないように、相手の力を利用して返し技で一本とろう。コロナ、内股返しで一本負け。