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ナンバーワン企業のサイトでランセット大盤振る舞いでしたが、なぜか11月30日で中止と悲しい知らせがありました。駆け込みでできるだけランセットから。超斜め読みです。NEJMなくさないでください。

 

2017年 6/14 プラセボ効果というのがありますが、nocebo効果というのもあるようです。スタチン製剤を忌避するカルトが流行ってますが、それに対する勧告のような論文です。10000の二重盲検試験と10000の非二重盲検試験(全員にスタチンのませているとラベルに記載)で、スタチンで忌避される原因の筋肉痛などについて調べた論文です。ずいぶんスタチンと聞いて筋肉痛が出ている気がするという人が多いようでした。プラセボ効果の逆効果。200人近く高脂血症治療しています。スタチンで調子悪くなる人4-5人いましたが、CPKまで上がる人はいません。体がピリピリするとか胃がむかつくとか、病気の経緯のながいひとで、スタチン拒否の中には冠攣縮性狭心症と信じてカテを何回もする人を何名かみました。男性ではおひとり、強い睡眠剤常用し、神経質なインテリの方でした。200名近く高脂血症患者さん診ていますが、すべての患者さんに対して開始後1か月で採血して直後の副作用調べています。肝機能悪化はありますが、CPK上がった人はいません。肝機能障害は血中に脂質出る代わりに肝臓にたまるからでしょうか。エゼチミブに変えるとすとんと下がります。そして機を狙って弱い日本スタチンを加えると、肝臓に悟られずに安定します。横紋筋融解は殿筋崩壊をみたことあります、すさまじい集中治療管理でした。怖い副作用ですが、10万に一人とかいいます。スタチンは近代の人類に恩恵を与えた薬のひとつです。難しいこと考えずに、飲んでみたらどうでしょうか。廉価に狭心症、心筋梗塞、大動脈弁石灰化、冠動脈石灰化予防します。免疫抑制剤、ホルモン治療などの方は、人によりますが数か月ごとに冠動脈硬化が進行しますから、少しでも脂質異常あればスタチン内服を検討してください。町医者の苦心からの感想です。

 

2017 8/14 PASCAL transcatheter mitral valve repair

まさかこうなるとは、20年前僧房弁形成で弁尖を真ん中で縫って、双口にして逆流が減るという、ポルトガル人の医者の術式がでました。職人芸がいらず誰でもできるので飛びついた人もいたようです。僧房弁形成の名人たちは鼻であしらってました。長期予後が意外に良いからか、カテーテルで右心房から心房中隔に穴をあけて僧房弁を上下で真ん中でホッチキスする方法になってしまいました。6か月のうち23人試行して3人亡くなったようです。23人心臓手術して3人は死なないような気がしますが、よほど重症心不全にやったのでしょうか。重症左心不全では逆流がなくなると、楽をしていた左室筋肉に重労働がはじまりますから、その辺の機微などを心臓外科が循環器内科に伝達しながら、是非発展させてください。心臓外科は縮小してゆくのが、科学進歩の証でしょうか。