コレステロールの薬がお嫌い?

Overcoming Challenges with statin therapy

アメリカ心臓病学会 2016年1月号

each 1‐mmol/L reduction of low‐density lipoprotein (LDL) cholesterol reduced cardiovascular events by just over 20%5; importantly, this benefit was independent of the baseline LDL cholesterol. The authors concluded that “reduction of LDL cholesterol by 2 to 3 mmol/L would reduce occlusive vascular events by about 40% to 50%.”

ざっくり、悪玉コレステロールを40mg/dl下げる毎に心血管病のリスクは20%下げる。LDL100mg/dlぐらい下げると梗塞閉塞イベントを40%以上減少するという言い方もあるようです。1ミリモル割ることの0.02586でmg/dl換算。家族なら悪玉高ければ内服を徹底します。

スタチンで肝機能について

Safety and efficacy of long‐term statin treatment for cardiovascular events in patients with coronary heart disease and abnormal liver tests in the Greek Atorvastatin and Coronary Heart Disease Evaluation (GREACE) Study: a post‐hoc analysis. Lancet. 2010;376:1916–1922. にて肝機能障害の危険因子ではないということになっています。臨床的には2種類を考えます、スタチンにてコレステロールレベルを下げると脂肪肝が改善されて肝機能が改善する人と逆に血中コレステロールが肝臓に集まって脂肪肝のようになる人もいます。スタチンを開始してしばらくして必ず、肝機能と後に出る筋肉の酵素CPK を測定して、スタチンの近接期の合併症を僕は必ずはかります。スタチンで肝機能悪くなるなら、投薬量を減らしたり銘柄を変えたり、エゼチミブと併用したりして、肝機能の終息をはかります。それでも脂肪肝すすむ人は、抗血小板がつかえないものか全身を調べます。

スタチンは脳出血を助長するものではないというメタ解析もこの論文まとめで紹介されていました。

スタチン使用にて実に4%の頻度で筋肉痛が出ると言っています。僕の外来では3人/200、薬の銘柄によっては出てきます。スタチンによってユビキノンとかコエンザイムQ10が減少することで、ミトコンドリア内でのエネルギー呼吸が障害されるといわれています。コエンザイムQ10サプリを本論文では進めていました。エビデンスはありません。

スタチン使用にて知らないうちに糖尿病チックになることがあります。軽い糖尿病です。5%の頻度で僕の印象ではやせ型の方に多いようです。食事制限が緩慢になることで発症していると思いますが、この論文では原因を述べていませんでした。対策はやせ薬で有名なLカルニチン併用とのことです。ミトコンドリアでの脂肪酸のエネルギー代謝に影響している物質です。羊肉などで有名ですが、スタチン使用者では考慮してよいサプリかもしれません。

グレープフルーツでの副作用はまた今度