自分にとっては、心臓外科時代を思い出すほどの慌ただしさである。都内ではPCR検査予約3日待って、結果が3日後で、陽性とわかったら、既に無症状で、数日もまたずに、あわてて出勤や通学する人がいるという。上司にPCR陰性証明を持ってこいと言われたら、けんかになるでしょう。当院では、初診当日か若しくは翌日に診断できるように島津PCRを導入しているのは、かくなる不細工な事態を招きたくなかったからだ。無料PCRでは、症状ありや濃厚接触は、ようやく長蛇の列を待って、自分の番で、お断りされるという、米国ならメキシカンスタンドオフになるような、一触即発な事態だ。
数百に到達する陽性者の管理を一応行っている。ハーシスというシステムは優秀だと思う。担当患者の熱型などが一瞬にしてわかるからである。しかし、患者さんで入力できない人、めんどくさがり、は自分の症状を伝えるすべはない。当院ではいつも電話がもともとつながるので、患者さんに今のところ支障はない。
保健所が忙しいという刷り込みがあって、保健所さんから電話がないと言って、心配される人が多い。保健所の株は、明治維新以降の最高値。自分が診断、翌日、翌々日の架電やショートメールでほぼすべての患者さんの管理を、できるだけであるが、している。しかしながら、患者さんは、自分が法定伝染病であることをやはり、オーソリティーの保健所からの電話で再確認したいようである。
結論は、東京都で患者急上昇しているが、すそ野はもっといる。PCR結果が遅いため、患者はだらだら出現して、だらだら減少してゆく。飲食関係は皆無にちかい、子供→母→夫、夫婦→子供→祖父母、子供→保育士、子供→教師、職場両親→子供といった、身内感染事例がほとんど。自宅にいることの多い妊婦さんの感染が大変である。75歳まで働けという年金改革で、勤労老人の感染が散見されご入院している。施設の老人の感染が意外に少ないのが救いか。
いずれにしても、オミクロンの致死性がインフルエンザ以下ということで、PCR体制や療養体制のもたつきも、あまり実害がないということになる。
絶対に来る、第7波が致死的レベルであることを、想定して、ハーシスをもっとグレードアップして、電子カルテや検査会社と直結できるようにしてもらいたい。検査結果待って、3日後に陽性結果来た時には、お通夜というような事態を避けなければ。