20-year Risks of Breast-Cancer Recurrence after Stopping Endocrine Therapy at 5 years. 2017年11月9日 NEJM
88個のトライアル集計、エストロゲン感受性乳がん62923人の検討。内分泌療法終了となる初発5年後から20年までの再発の検討です。 内分泌治療を行った後(途中中止も含む)の再発は、初回の腫瘍サイズとリンパ節転移の個数が大きく関係していました。そして死亡率も初回の腫瘍サイズとリンパ節転移の有無が大きく関与していました。腫瘍の分化の程度とK1-67値(ホルモン感受性腫瘍のリスク同定検査)はお互いに相関関係にあったが、腫瘍再発についての危険因子としては確かでなく、その他PR因子やHER2などは再発を推定する因子たりえなかった。化学療法の有無などは検討無く、分子標的療法などの関与も検討していませんでした。たとえ腫瘍が小さくリンパ節転移なくても5年以降に10%以上が再発するということでした。乳がんは比較的予後良好といっても、再発はかなりあるようです。乳がんのスクリーニング検査そのものが、欧米では否定的方向ですが日本では2年に1回は必ずという風潮があります。早期に見つかれば助かりやすいし、比較的進行していても他の癌に比べたら予後はまずまずという認識はあります。2cm以下で見つかった腫瘍でリンパ節転移なくても5年以上たって10%以上再発するというのは大事な見解です。化学療法や放射線療法後の遠隔予後のメタ解析が必要と考察で述べていますが、また探してみます。