Influenza Vaccine Effectiveness in the United States during the 2015–2016 Season
ニューイングランド2017年8月10日
Efficacy of High-Dose versus Standard-Dose Influenza Vaccine in Older Adults
ニューイングランド2017年6月22日
Efficacy of Recombinant Influenza Vaccine in Adults 50 Years of Age or Older
ニューイングランド2014年8月14日
外来でインフルエンザワクチン接種後、絶対感染しない確率を訊かれますが、医師会講習会では30%という数字を学者先生に習いました。実際はどうなのか、本日は調べました。
全米2015年から2016年の豚インフル全盛の折の何種類かのインフルエンザワクチンの効果判定について昨日言及しました。風邪で受診のうち、ワクチンを打った人の中にインフルエンザ陽性が半数いるというデータでした。ワクチンを打っても半分以下しか効かないということでしょうか。
2013年ですが、高濃度ワクチンの検討です。50歳以上対象で、通常3価(香港、豚、B一種の3価)ワクチンの4倍量を16000人と通常16000人を振り分けたそうです。熱がない鼻かぜ、熱のかぜも有意ではないですが、20%ぐらい高容量ワクチンが発症を抑えていたようです。ただし実際に鼻ぬぐいでウイルスを検出すると風邪ひきのうちに2%未満しか双方ともインフルエンザ感染しなかったようです。
2014年ですが、50歳以上で、リコンビナント人工4価ワクチン(通常の3倍のHA分子量含有)と通常4価の9000人対9000人の効果判定がありました。双方2-3%のインフル感染ありまして、人工ワクチンが僅差で優勢、局所反応も少ないという結果でした。ここでも2-3%の感染率。
50%対2%という極端な話、このように感染率に差が出るのは、どうしてでしょうか。豚インフルは制御できていたけど香港が制御できなかったのも要因でしょう。その他ウイルスは生き物ということもあります。予想を立てて、製作しても、製作中にウイルスが変異をした可能性もあります。新しいウイルスワクチンを治験する時は、会社が命運をかけていますから、通常より入念にウイルスの型を想定し、製作中の卵内でのウイルス変化もすごく気を付けているでしょう。また治験を受けるような人は、風邪の時期に無防備な人ではないと思います、一筆書いて無料でワクチンうけるのでしょうから。定期的にお体大丈夫ですかという連絡を取り合うようですし、気を付けるでしょう。ウイルスは生きて毎日体の模様を変えているといことを自覚したいです。手洗いうがいの励行という古来からの養生も大事ということでしょうか。