Chasing Seasonal Influenza — The Need for a Universal Influenza Vaccine
ニューイングランド2018年今月号
今年もワクチンは当たってないことを、世界的権威雑誌で残念がってました。
他のワクチンでは安定してワクチン効果率(VR)が80%以上なのに、卵でつくるインフルエンザワクチンは不安定すぎると今更ですが、いら立っていました。A型は半年とかでころころ抗原性変わりますから、悠長に卵で育てていくうちに、卵内で抗原性変化、卵の中のタンパク質で抗原性変化、蔓延しようと頑張っているインフルエンザワクチンは夏場お外で抗原性変化します。晩秋にワクチン打ちました、本番冬です、体の中で作られた抗体は微妙にウイルス抗原と異なって効きません→蔓延というのがほぼ毎年の特徴のようです。
免疫増強剤やベクターを用いたリコンビナントワクチンも応用すべきと提案はウイルス感染の学者先生は提唱されておられます。
Low interim influenza vaccine effectiveness, Australia, 1 May to 24 September 2017
昨年豪州では近年にない大流行を見たようです、2017年7月-8月がピークでしたが、例年の1.5倍とのことでした。ワクチンと蔓延ウイルスの型ですが、一番の根源となる香港A型が当たっていないようでした。H3N2(ヘマグルチニン3ノイラミニダーゼ2)というのが香港風邪の名前です。姓はヘマ名はノイラで人呼んでA型と申します。ヘマの型は16種もあって、さらにヘマ3にも100以上の家系に分かれます。豪州の報告では全く別の家系のヘマ3が主流となったようでした。そういう意味では一番うつる香港風邪があたってなくて、蔓延したのでしょう。ワクチン有効率はA型は20%とか40%とか低めで老人では効果なしというデータでした(ワクチン接種の人の方が風邪症状受診多すぎたため)。変異の周期が2-3年と穏やかな、B型は老人を除いては50%以上のレベルでした。2018年は必ず、豪州のインフル情報を、ご当地が冬場の8月に調べて、ワクチンが効果的かどうか調べます。来年のインフルエンザの傾向も豪州を分析すればかなり予想が立ちます。
英国 The TelegraphではFlu reaches epidemic levels in parts of UK as Japanese strain dominates、B型が山形株が猛威を振るっており、これをもってジャパンかぜ(Japanese flu) 蔓延といっており、やはり例年の1.5倍で注意喚起を述べていました。先の豪州A型はオージーfluと表現していました。
世界のワクチン2017年
- an A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09-like virus;
- an A/Hong Kong/4801/2014 (H3N2)-like virus; and
- a B/Brisbane/60/2008-like virus. すなわち
- A型の豚インフル(2014流行現在は頻度低い)、
- 一番はやるA型の香港風邪
- 変異の少ないB型(実際4価ワクチンのFDA添付文書をみましたが、日本と同じ山形株とビクトリア株の2種を使用していましたが、具体的strain名はなし)
日本の2017年ワクチン
一、A/シンガポール/GP1908/2015(H1N1)pdm09→型が少しオリジナル
二、A/香港/4801/2014(H3N2)→いったんオリジナル作成失敗しWHO推奨に戻し接種に混乱
三、B/プーケット/3073/2013(山形系統)B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)
現在日本ではBがはやっていたり、Aも負けじとはやっています。AはやってBというのが普通でしたが。いつもとちがいます。イギリスではBが当たってなくて、豪州ではAも当たっていない。かなり患者さん増えています。
2018年ワクチンの候補はWHOからすでに挙がっていて、豪州ではせっせと作ってます。
an A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09-like virus;
an A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016 (H3N2)-like virus; and
a B/Phuket/3073/2013-like virus.