WPWと痛み止め

Wolff-Parkinson-White pattern unmasked by severe musculoskeletal pain クリーブランド雑誌2018 7月

WPW症候群と言って、心房と心室の通常の刺激伝導路は通常は一本ですが、もう一本抜け道の回路ができる(ケント束)病気があり、頻脈になる不整脈の一つです。心電図では心室波形が前倒しに広くなるため、心房心室までの電気の到達時間が短くなります。通常は害がないのですが、コンセントを中途半端にさしてその間に指を入れるような、ショートがおこりますと。心房→通常の房室結節→心室→ケントさん→心房の間でグルグルまわって、けなげに心室はそのたびに反応してしまい、ドキドキします。この論文では1000人に1.5人は心室不整脈に本当に移行して突然死するとしています。毎分150回ぐらいまでは何とかたえられますが、それ以上ですと、救急搬送になるでしょう。さらに心房細動を合併していると、ランダムな刺激が時々ケント、時々通常の房室結節を経由しますが、無理に薬を使うと、効能通りに房室結節だけゆっくりして、順方向のケント波が全弾心室に命中して、心室頻拍並みの重症不整脈になります。現在はアブレーションで100%切れます。V1上向きは左房左室間、rSで右房右室、QSで心房中隔と覚えようとしていますが、いつも忘れてメモを見てしまいます。この論文では、筋肉痛で昇圧物質カテコラミンがでているうちはWPWっぽい心電図でしたが、痛み止めを内服した後は、ケントが鳴りを潜めて、通常人と同じ心電図になっていることを見せてくれました。