post-coronaーマスク

 第二波に備えて、とかいうが、自分のところにはN95マスクや防護服の流通はきていない。備蓄を使い切ったら、ゴミ袋かぶるようになる。買いためた防塵マスクなどを、日替わりで使って、しのげると思う。自前で陰圧室を作っておいてよかったと思っている。発熱さんが来ても、とりあえずその部屋で隔離したら、院内への影響は皆無となる。また抗原でもPCRでもその検査にとくに危険性を感じない。防護服がなくても、密閉室のチャックをあけて、サージカルマスクと上半身だけ防護対策して、鼻腔ぬぐいをしたり、採血したりできる。

 サージカルマスクなどは、中国語で表示されたものが、練馬区から数多く配られて助かっている。日本の検定は合格したものなのか、中国語やベトナム語?の検定合格証は付いている。自分は中国製でも日本検定付きの老舗のサージカルマスクがお気に入りだ。店頭でもたくさんの中国語のサージカルマスク風が流通している。日本での検定を合格したものであると信じたい。

 マスクの検定についてであるが、各国でその基準が異なる。欧州ではFFP基準、アメリカではNIOSHの基準がある。

日本においての、高機能マスクの検定法は塩化ナトリウム粒子(0.3㎛)を用いる。その粉塵が95%補足されるものがN-95マスクで、血液は不通の医療用のマスクである。油などの汚れの防止効果はない。防塵作業のマスクの規格は厳格に定められている。DS1は80%以上補足、DS2は95以上補足、DS3はほぼ100%補足で、簡易な粉塵作業用で使われている。Dは使い捨ての、ディスポのDである。Sは塩化ナトリウムのSaltやsolidのS。アスベストやダイオキシンや原子炉での本番作業は、電動ファン付の防塵マスクでRS3などを用いて、全身着ぐるみ必須の作業となる(Rはリユース)。一回数万円の電動ファンに接続できる専用ディスポ服が、防護服ブランドのHermèsの3M社からでている。RS3はなるほど空気感染を防止できるので医療者には垂涎のものであるが、弱点はある。血しぶきに対してはフィルターを通過するようである。水の流れの強い場所ではフィルターを逆行してしまうようである。コロナのエアロゾルは100%カットできるが、処置手術中に点滴や動脈からの噴射をあびると飛沫粉塵防護の効果がなくなる。

 日本でのサージカルマスクの基準は欧州規格を採用しているようである。検定方法は細菌の大きさである5㎛を95%以上補足すこと、つけているヒトが苦しくないこと、血液を浸透させないことが基準である。おそらくサージカル(外科てきな)ゆえに、つけているヒトから患者への細菌を95%遮断する、手術中に苦しくならない、血液が噴射してきても通過しない。サージカルマスクはもっぱら、患者に自分の呼気からの感染をうつさない、術者が苦しくなく守られているということが大事である。患者方向からの飛沫は5㎛以内のものは、バシバシと口の中に入ってくるのは覚悟されたい。

 一応医師会的には、サージカルなり布マスクを患者さんがしていて、その対応にサージカルマスクを医療者が着けていたら、患者さんが陽性でも自身は濃厚接触扱いにならず、医療の仕事に継続して従事できることになっている。院内感染防止の最低限の決まりとして、病院内では全員がマスクをすることが求められている。当院では無マスクのヒトに対しては、無料でマスクを配っている。それでも絶対しない人がいる。その時は、啓蒙的にN-95マスクとフェースシールドを付けてみる。そうするとマスクをしぶしぶ鼻を出すが、してくれる。

 夏の暑い時にマスクをつけると熱中症になるという警告をしている。いろいろ語弊があると思うが、暑い中そしてコロナ禍の中、マスクを着けてまで外にでて運動やレクリエーションは辞めたほうがいい。スポーツメーカーが苦しくない厚くない暑くない、むしろ冷えるマスクというのを売り出すであろうが、熱中症の予防になっても、感染症防護までは確約してくれるものではない。マスクをつけるというのは、そもそも鼻と口を隠して少々暑苦しくて息苦しくても、①清潔な処置や手術をする人②感染防護をする人③感染している人➃人前に顔を出したくない人 のための者である。世界中の人が、マスクをするというのは、歴史に残る人類の異変である。暑い夏や寒い冬は不要不急の外出はせず、室内でのんびりマスクを外して、新作は作れないため再放送しかないが、hulu,テレビやAmazonプライムやネットフリックスを自分は楽しみたい。熱中症寸前になるまで猛暑時にゴルフをしていた自分が嘘のようである。