JAMAハイライツ

JAMAハイライツ

ジャーマと発音していましたが、ジャマと言えと帰国子女の方に訂正されました。

6/5号 のハイライトです。医療を志す我が子にむけても、このコラムを書いているので、最近はやや手取り足取りの冗長、お許しのことを。

  1. 緊急気管内挿管。気管の中にチューブを入れて、安全に確実に換気をするルートを確保する方法です。麻酔現場、救急現場で医師の技量の一つとして頼られてしまう技術です。入らなかったでは済まされないので、大変です。気管支カメラを使ったりしたら、確実に入りますし、どうしようもなかったら輪状甲状膜を切開してチューブを入れるキットをつかいます。ベッドサイド、事故現場では無理なので、昔からの方法がとられます。Bougie ただ単にブジーといって、ゾンデとドイツ医学の名残で日本人の医者はいいますが、ブジー=ゾンデです。通常法は、口を開けて、明るい豆電球のついた、かすがい のようなものを仰向けの状態で舌に沿わせます。その付け根を てこのようにしたらいけないと教わりますが、先を利かせて上顎頭蓋骨ごと持ちあげると、喉頭蓋がようやくペロリとめくりあがって、声門がみえます。そこに人差し指弱の太さの気管チューブを入れる作業です。ほとんどは暗がりでも、地面でも、成功します。しかし入らなかったら、マスク換気となって、その後のいろいろな蘇生処置、救急処置に響きます。太い首の人など声帯がみえず、介助者にのどぼとけを押してもらって、一瞬見えるような時があります。一回で成功させるためにはということで、このブジー法がとられたようです757人の救急現場で一発挿管率はブジー法で96%通常法は86%でした。ブジー法をユーチューブでみましたが、柔らかい、長いフレキシブルなシリコンの細い棒でした。喉頭蓋に先端を添わせてまっすぐに棒をすすめると、それは食道でなく気管支だという設定でまず棒を気管に入れて、それをガイドワイヤーがわりにチューブを入れるということです廉価で再現性のある良い方法だと思います。日本でも行われているのでしょう。
  2. 早産の子供の極端に酸素飽和度を上げるような酸素治療は、4965人の検討から肺合併症を起こすリスクを高めるということになっています。
  3. 敗血症の新基準で生命予後の判断により感度良好とのこと。全身性炎症反応症候群(英: systemic inflammatory response syndrome、SIRS)という感染は全身疾患だという概念ありました。それを発展させて、新しいものはSOFA Sequential (Sepsis- Related) Organ Failure Assessment  で肺機能として酸素化能、凝固脳として血小板数、消化管肝機能として黄疸、循環器系として血圧70以下±昇圧剤、意識障害としてグラスゴーコーマスケールGSW(ジャパンコーマスケールは国家試験や救急隊も最近使ってくれません)、腎機能(クレアチニン、尿量)と一回では覚えられない複雑なことになっています。そこでクイックSOFAならどうかということで、呼吸22回以上意識低下血圧100以下という単純なものにすると、より一層、死亡転機回避につながるということです。従来はSIRSは4つの項目(体温、呼吸数、心拍数、白血球数)(38度、脈は90回以上、呼吸20回以上、白血球12000以上 )で判定していました。