JAMAハイライツ

JAMA 3/27

  • 尿中ナトリウムを測定することで、摂取ナトリウムを推定して、高血圧管理に効果がある。24時間蓄尿の827人の検討から、尿ナトリウムから摂取ナトリウム推定を行い検討を加えたようです。原文が有料なので熟読していませんが、尿のナトリウム量によって心血管リスクが決まることは以前から有名なことを再確認したのでしょうか。少なすぎる人、多すぎる人双方でリスク高まります。カリウムに関しては多ければ多いほど良いとのことです。当院でも以前から高血圧患者さんの、任意の尿のナトリウム、カリウムを測定しています。塩分を少なくして水分を多く取る患者さんでは、尿のナトリウム濃度は極めて少ないので減塩による血圧低下を勧奨する意味は少ないです。その場合はカリウム濃度をみて、もっと芋やバナナ野菜をしっかりとって、尿中カリウムを増やすことを行うと、尿へのナトリウム排泄が期待できると説明します。過度な減塩だけでなく、カリウム摂取も指導することで、降圧剤を過度にもちいずに血圧は少し5とか10mmHgですが低下します。

JAMA 4/17

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-C Lowering 

A Systematic Review and Meta-analysis JAMA2018年4月17日

LDL100mg/dlあたりが一番心臓血管死が少ないという結論から、最近重症高脂血症患者にPCSK9阻害剤注射(悪玉コレステロール受容体を増やして血中に悪玉を残さない治療)療法に一石を投じています。家族性高脂血症もそうでない症例もごちゃまぜがもんだいですし。PCSK9阻害剤を使わなければ心臓死を防げないような人と、軽い高脂血症で悪玉を少しコントロールすれば動脈硬化が安定する人を同一視できないと思います。家庭医は悪玉コレステロールは少なくとも100ぐらいまでは、二次予防では下げる必要があると考える。一次予防では血圧、年齢、家族歴などから副作用に配慮しつつ目標下限を100に設定するのが、中庸の精神でしょうか。