食塩6gの根拠

しょっぱさについて勉強してみました。日本の疾病予防で提唱される 6gの有難みと根拠が最後まで読むと少し感じられます。

食塩とナトリウムは異なることを知りました。食品成分に表示されるナトリウムに2.5をかけると食塩に換算できます。口に入るナトリウムはほぼNaClだからです。他のナトリウム化合物は、水素できたりして危険だし、まずいし、にがいのでたくさんは食べられません。

重曹、塩化カリウムなど代替塩を加えると食塩量は少なくなるはずです。ただし味覚上、塩化ナトリウムのナトリウムイオンと塩素イオンでないと、人間の味覚は絶対に満足できないところが問題です。塩は人類創生以来交易品、戦略物資、敵に塩を送る上杉謙信、サラリーマンのサラリーですから。サッカリンからステビアまであまたある甘味料のようには代替品はいまだにできないのです。

 

英国医師会雑誌2016年のwe are the world式で世界の有名大学研究機関でドリームチームを結成し、塩消費を世界的規模で調べたものです(Global, regional and national sodium intakes in 1990 and 2010: a systematic analysis of 24 h urinary sodium excretion and dietary surveys world wide).

旧ソ連の何とかスタンという地域は15グラムの食塩、日本は高所得東アジア枠で何とかスタンの次の11グラムの食塩、アメリカは8グラムの食塩、一番少ないのはニューギニアとケニア5グラム食塩。世界平均は9グラム食塩。一般に熱帯サハラ中南米は5~6gで減塩傾向というデータでした。何を思ったか、アメリカ心臓病協会は3.5グラム食塩、世界保健機構は5グラムが健康になるという世界目標を立てたようです。人類未踏の減塩政策を国連できめているわけですが、国連決議で紛争や社会問題が解決したことがないので、結果を保証しなくてよいわけです。アメリカ心臓病学会もとりあえず、薬を使わないで高血圧による死亡を防ぎたいからこのような設定にしたと考えておきましょう。

 

Global Sodium Consumption and Death from Cardiovascular Causes

ニューイングランド 2014年 8月14日号

上の論文をもとに、まずは古今東西の血圧論文で塩消費と血圧関係をプロットしてみると、食塩を2.3グラム減量すると血圧が3.74mmHg下がるという結果を示していました。うどんの汁をほとんど残すと、3.74mmHgだけ下がります。塩少なくすれば少なくするほど血圧が下がってどんどん心臓血管病が減少するぞと、数学者たちが夢を膨らませます。夕飯は味噌汁の具だけにして、刺身に醤油をかけないと、加えて3.74下がるという段取りです。食塩が多いから、血圧が高いから、こんなに亡くなったという統計学的三段論法で世界地図上に食塩摂取とそれによる死亡者数の色分け図を作成していました。ドリームチームの作成図に文句はつけられません。

日本は沽券にかかわらないようにアメリカと西ヨーロッパより少し濃いめ、ロシアと中国より薄めで安心していいよという風に、高所得高度医療枠で処理されていました。食塩食べすぎで死亡者のランキングがのっていて、何とかスタンは食塩死亡最多、中国も食塩死亡注意と指摘されていました。ほめられたのはケニアとニューギニアと南米でした。心臓血管死亡より前に、飢饉や疫病で早逝される方が多そうな地域でした。塩がなくて我慢している人たちか、我慢できる遺伝子保持者の地域ともいえます。その人たちより少ない食塩量を人類に求める根拠はあるのでしょうか?

安心してください、厚労省は南米なみの食塩量6グラムまで許してくれています。これなら守れそうです。夕飯の味噌汁も工夫をして楽しめると思います。

 

しょっぱいもの食べたら、本当にそんなに悪いものか?

食塩感受性高血圧じゃなかったら、減塩しても病気になるのではないか?

塩の代替ないにしても、味付けなどでなんとかならないのか?

明日からまた探してみます。