血液を彷徨う核酸情報①

医院や学校が繁忙期になっておりまして、poco a pocoは週3回程度にして、本来の業務とその勉強にあてます。

Circulating Extracellular Vesicles in Human Disease

2018年 9月6日

浮遊する細胞間情報伝達物質が、医療の診断治療の決め手になるか。エクトゾーム(細胞外)、エンドゾームズ(細胞内)、エクソゾームズ(細胞外へ)、マイクロパーティクルズ、マイクロベジクルズ、オンコゾームズ その定義などは、ウィキでも、ごちゃごちゃですが、細胞内の輸送体、細胞外への宅急便のようなものでしょうか。これらから出るマイクロRNAが測定できるようです。それにも100個以上の種類があって、第何番目のmiRNAあるから卵巣がんの抗がん剤の効きが悪い、とか 心筋梗塞後のリモデリングの程度、脂肪細胞からのものから肥満や動脈硬化の程度、脳の外傷においては脳細胞の損傷の程度がわかるという、結果がありました。まだ検出方法の確定、平準化、基準値など一定でなく、動物実験領域もありますが、miRNAは今後難しい論文を読むときに避けて通れないキーワードになります。

Sequencing of Circulating Cell-free DNA during Pregnancy

2018年8月2日

染色体異常を妊娠中に見つけるには、羊水穿刺や胎盤の穿刺による染色体異数性の検討になりますが、侵襲的です。そこで、やはり血中を漂う、DNAを測定することを行いました。現在期待が持てるのが、全体の漂うDNAのうち胎盤由来の比を見てやろうというものです。この際、この比が非常に少ない場合。母親が肥満であるか、血栓などの異物が血中に多いのか、またはトリソミーなどで現れる現象のようです。ニューイングランドのビデオ講座にあるぐらいですし、正診率も穿刺法と同等という表現もありました。採血ですから何回でも再検できるし、優性保護医療で活用することと思います。