花粉症の内服薬―処方

花粉症の内服薬

まずは、治療の原則は、自分がいつからの花粉症なのか、冬季のハンノキ、2月末からのスギ、4月からのヒノキ、そのあとのブタクサ、ヨモギなど自分がどれなのかを知ることです。

そろそろやばい、その瞬間に、ステロイド噴霧などで、鼻粘膜を防御しておくことが大事です。おかしいと思ったらすぐに投薬開始をしないと、本年度のように大変なアレルギー連鎖がおこります。抗ヒスタミン剤内服連用はしょうがないのですが、粘膜が乾燥して新たに感染を併発して高熱や咳をともなう患者さんが多いです。Hay feverとはよく言ったもので、花粉症熱がでてきています。

処方編

最強はd-クロルフェニラミンマレイン酸塩・ベタメタゾン配合です。一錠では市販薬同等の第1世代の抗ヒスタミン & 市販薬では絶対禁止の副腎皮質ホルモンがプレドニゾロン換算で2mg。一日2錠でも連用は目もくらむような副作用あります。また市販薬みたいに眠気防止覚醒作用の薬が入っていませんので、眠気必発です。

 処方箋でも強力な第1世代処方可能です。抗アレルギー目的で老人に処方することは原則ありません。非常に眠くなるので、老人の局所麻酔手術の時に眠くさせたり、子供の処置や検査、パーキンソン病治療などに使っています。Hydroxyzine注だけで局所麻酔少なく小手術可能です。瞬間的にかゆみや鼻水がとまりますが、1時間は熟睡します。抗ヒスタミンの副作用は、眠気と頻脈や便秘や尿閉や緑内障悪化というものです。抗コリン作用で、眼底検査で散瞳する時に使用する、アトロピンが抗コリンの親玉です。アトロピンも筋肉注射すると、数分間でまぶしくなって、眠くなって、鼻水はピタリとまるどころか唾や涙もでてこなくて、うとうとしてきます。麻酔の前によく使う、劇薬です。徐脈の救命処置、毒ガスなどの解毒でも使います。第1世代は劇薬同等ということです。しかしながら、昔からの経験値蓄積があるのか、蕁麻疹の妊婦さんではポララミンなどは安全だよということになっています。

 処方される第2世代で優劣をつけると、立場上問題があるのですが。市販薬にもなっている座時典(ケトチフェンフマル酸塩)はよく効きますが、眠くなるので車の運転はできません。市販されている在れ蔵(フェキソフェナジン塩酸塩)は眠くなりませんが、今年は効きが悪い感じで、鼻づまり防止剤入りの、上位機種の出れ蔵(フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合)にグレードアップしている患者さんもいます。車の運転、仕事で寝てはいけないひとはフェキソフェナジン塩酸塩 ロラタジン、その代謝下流物質のデスロラタジン 新しい一日1回のビラスチンなどは車をのることは危険運転にあたりません。車に乗れる薬の効果はマイルドになっています。次回は市販薬の解説