脳梗塞早期の血液マーカーは?

脳梗塞診断のための血液検査

心筋梗塞は血液一滴で診断できます。トロポニンや心筋CKなど筋肉を動かすカルシウムのタンクや筋肉そのものの破壊漏出を測定することができる時代です。当院のような規模でも、4種類のバイオマーカーが測定できるし。さらに血栓マーカーや心不全マーカーも15分以内に検出できます。エコーも併用すれば、心筋梗塞、深部静脈血栓、肺梗塞、大動脈解離などの早期診断が重要なものはストレスなく鑑別できております。しかし脳梗塞はいまのところ、大したマーカーがありません。多発性硬化症で増加するミエリン髄鞘蛋白(MBP), レドックス感受性シャペロン(シャペロンの意味は従者というところで、変性蛋白制御するものの一つPARK-7)、わかりやすいところでは、CRP, ,Pセレクチン(血小板接着因子) ホモシステイン(蓄積にて早老)があります。健常者と比べると有意に変化があった論文は多々ありますが、CRP以外は速攻で測定できる代物ではなく、CRPの微量な上昇だけで脳梗塞を断定できる、臨床家はいないと思います。

Are serum troponin levels elevated in conditions other than acute coronary syndrome?

2018年4月のクリーブランド病院雑誌

トロポニンの増量と脳梗塞、敗血症などが関連するようです。2015年のstroke にApplication and Interpretation of high –sensitivity cardiac troponin assays in patients with acute ischemic stroke. 脳卒中2015年4月号に神経性心臓症候群という概念を述べています。以前概説の嬉しさのあまり心筋梗塞のたこつぼ心筋症と同じように、精神神経性に心臓障害が来るように、脳みそがやられても心臓に連関するということのようです。くも膜下出血の心電図変化がしられていますように、手足が何となくしびれて脳梗塞が心配だーという人には、CK トロポニン D-ダイマーなども調べて陽性であったら、あながち図星かもしれないと考えられるようです。今日からの臨床で利用します。