男性ホルモン治療1

Effects of Testosterone Treatment in Older Men ニューイングランドジャーナル 2016年2月 

全米の男性ホルモン補充研究会による検討。 我こそはと5万人からの応募者、前立せんがんリスクの人、心血管合併症疑いの人、補充というより男性ホルモンを投与しないといけない低形成の人を除外すると。元気なおじいちゃんが700名精鋭が残りました。平均年齢72歳の集団で、1%のゲルを毎日5g塗布 vs にせものの軟膏塗布の対決。陰嚢周辺への塗布にてどうなるか。1年間で少し回春が認められ(経時的縫っても後にその効果は衰える)、歩きのパワーは1年後から上昇、活気スコアは全く変わらず。合併症は、双方に前立腺癌を一人ずつ、心筋梗塞などの合併症はむしろ偽軟膏9名で本物軟膏では2名であったが有意差は付かず。PSAは男性ホルモン軟膏で自ずと上がったものの1以上上がる人はわずかであった。

 ニューイングランドジャーナルでは真摯に、男性ホルモン治療を取り上げています。上記の軟膏は日本では私費扱いになっています。注射剤は医薬品で、テストステロン値を満たせば保険適応です。ただし添付文書では、男子性腺機能不全(類宦官症),造精機能障害による男子不妊症,再生不良性貧血,骨髄線維症,腎性貧血の病名のみ掲載されています。男性更年期障害(LOH)という文字はありませんでした。原則は、50歳台の今まで健康であった人は、肥満があれば解消するように歩くだけでもテストステロンは上昇します。極度の肥満、心血管病のある人は、注射はおろか軟膏そのものも危険です。

 なんか元気がない、気分がさえない、ホルモン値が少ないの条件で、心血管合併症をしっかりしらべて、前立腺もしらべて、50歳台限定であれば軟膏治療を考えてもいいかもしれません。