新しい性差医療

Best practices in LGBT care: A guide for primary care physicians クリーブランドクリニック雑誌 2016年6月号

性差医療というのも、最近当たり前に言われるようになっています。画一的な診療ではなくて、女性には女性の、男性なら男性の、年齢ごとの対応が必要というのは常識です。しかし医療先進国では、LGBTに対応する性差医療が求められます。病院の機構からかわります、男女の区別のない病棟、トイレなどにしないと、まずいことになります。男性が男性部屋に入院するのもまずいケースがあったりするようです。人口の2%がストレートでないような米国医療の苦労が書いてありました。性病、薬物、エイズ、精神疾患、虐待など医療行為の前に必ずチェックする必要があるようです。またトランスジェンダーでは、男性化の患者さんには男性ホルモン補充にて多血症と肥満が多いようです。女性化の方はエストロゲンレベルを維持するようにしないと更年期症状がでてくるのと、持続投与にて血栓症と肝機能障害に注意すべきとされていました。

男性同士、男性とトランスジェンダーの間ではどうしてもHIVが問題となります。世界的にその予防の気運があるわけですから、なんとかそのコミュニティーで気を付ける必要があります。日本の医療では高血圧、糖尿病、肥満、高齢者などが基礎病態としての基本ですが、アメリカではこれに薬物中毒とHIVがあたりまえのような基礎疾患になります。国家試験でも普通に、HIV治療薬との相互作用、エイズ関連悪性腫瘍や感染症が基本問題になっています。投薬治療のマニュアル本など買ってきては、勉強しようとしていますが、なかなか身につかないのが実情です。