幸せの度合いと病気

感情の起伏で心臓病悪化することはわかりますが、幸福でも病気が発生するのか2016年の論文ランキングで、幸福度と健康の相関を考えたと思われる医学論文がありました。

Sustained enjoyment of life and mortality at older ages: analysis of the English Longitudinal Study of Aging:2016年英国医師会雑誌11月号

1万人の50歳以上男女英国人調査です。4年間で3回調査したようです。統計的な幸せは、女性50台で裕福で病気のない人という当たり前のようなデータでした。3回とも幸せと答えた人は7年後の死亡率は3回とも不幸と答えた人より15%低い結果でした。ただし癌や心臓病がなければ幸福度と死亡率は大差ないという結果が最終結論でした。もっとサンプル数の多いデータを探しました。

 

Does happiness itself directly affect mortality? The prospective UK Million Women Study  2016年2月27日ランセット

幸福を実感する度合いと病気の相関関係を72万人の女性で調べました。乳がんスクリーニングで150万人の英国女性研究の一環で行われました。平均59歳で、10年の経過観察で、サンプル調査にて90%は10年一定の幸せ度という経過でした。とても幸せは39%、ほぼ幸せは44%、不幸せは17%でした。幸せの統計的秘訣は、伴侶と子宝に恵まれること、あくせく仕事や勉強でストレスをためないことと、お酒を楽しむ人と結果に書いてありました。不幸せの人の中の40%に体調不良を認め、幸せの人の中での体調不良は20%弱に過ぎませんでした。うつ病や脳卒中を患っている人は不幸と感じることが多く、喫煙者であって、不眠を訴えていました。死亡率は不幸と答えた人は30%ほど幸せと答えた人より多かったのです。しかし、統計的に高齢者を除外したり、調査当初からの病気を差っ引くと、肉体的に若く健康であればいかに不幸を10年続けても死亡率は幸せな人と変わらなかったことに結論しました。癌や心臓病を患っていたとしても、幸せと感じても不幸と思っていても予後の差はないとのことです。ただし大病ないのに体調が悪いと思い込んでいる人は、いくら幸せでもいくら不幸でも50%死亡率を上げていました。72万人の研究に文句はつけられませんが、10年前の幸せ度が一定である根拠が薄いとおもいます。しかしある一点で一度でも、自分は不幸だとか体調が悪いと思わない方が、どうも長生きできるし、幸せも維持できるのでしょうか。

 論文云々でなく、病気があれば治療を試みたり、食事や運動で未然に病気を予防したり、仕事や家族のために勉強したり稼いだり忍耐したりすることこそ、幸せの維持に必要なプロセスです。プロセスがあることが幸せと思うのが無難な落としどころでしょうか。男性でこういう研究ができないのは寿命が限定されるからです。男性より女性の方がそもそも病気になりにくい、という現代医学の基本がありますので、それはどうにもなりませんけど。