ランセット-大事なねじ

Fracture fixation in the operative management of hip fractures (FAITH): an international, multicenter, randomized controlled trial.

全くの専門外ですが 2017年ランセット3月2日号 外科論文はめずらしく整形外科の大腿骨頸部骨折の論文です。ガーデン分類とかパウエル分類など勉強しました。大腿骨頸部骨折に使うねじの二重盲検試験の論文です。

カナダ主催で豪州、インド、アメリカ、北欧、ドイツの他施設研究。550例ずつで白人は80%の集団での、従来法のヒップスクリューとやや新しく太く粗い海綿骨スクリューの検討。双方有意差なく70%骨折治癒成功。大腿骨頭壊死は海綿骨スクリューにちょいと少ないと軍配。ただし喫煙者や頸部基部骨折患者ではヒップスクリューに再手術が少なかった。ある図表を見ると、固定性や再手術になりにくいのはヒップスクリューの方であるが、大腿骨頭壊死の数だけ海綿骨スクリューで少ないように見えるのがよくわかりませんでした。再手術ではインプラント摘出をしなくてはいけないのが海綿骨スクリューで、その訳は大穴があくためでしょう、結局人工骨頭置換になるようです。骨折の場所程度で適応が決まるのでしょうか。保存治療だけでは歩ける人は限られていますから大事な研究だったと思います。細い鋭利な皮質を貫くねじと、海綿骨の柔らかい構造にフィットする太く荒いねじ。ハンガーを取り付けるときの、木の板ボードねじと、石膏ボードねじのちがいであることがようやくわかりました。年齢人種でそんなにねじの種類で大きな差がなかったこともわかりました。