マンモの確認とまとめ

Factors Associated With Rates of False-Positive and False-Negative Results From Digital Mammography Screening: An Analysis of Registry Data annals of internal medicine 米国内科学雑誌 2016年特集号 権威ある臨床医のバイブルです

40万人がマンモグラフィー 8年間観察で2960名が乳がん或いは乳管癌であった(2対1)。偽陽性だったのは12%。40歳代の、閉経前のホルモン変化のある乳腺、乳がん既往、以前生検をしたものに多く、白人種(アジア人では偽陽性少ない)やせ型の硬い詰まった乳腺で精密検査したら癌でなかった偽陽性。偽陰性は0.1%程度と検診精度は保たれていた。少しおちついてきた60台から検診率さがるが、逆にがん発見は60台に多いというデータもありました。若年者の毎年のスクリーニングに含みを持たせているようでした。

若年者の検診で偽陽性が多いので毎年の検診は勧められない方向を示したいようです。

Radiation-Induced Breast Cancer Incidence and Mortality From Digital Mammography Screening. 同号

放射線被爆による乳がんの発生を報告していました。どうやって乳がんか放射線由来乳腺癌かの病理学的鑑別が皆無ですので俄かには信じがたいのですが。10万人で125人は放射線による乳がんで、その16人が死亡したようです。若年肥満やグラマーな人では通常より高い被ばく量になるようです。胸部レントゲンの何倍にもなる人から、10分の1の人まで被写体で放射線量が変わります。病理変化についてまるで記載がないので、若年者への毎年のスクリーニングに対して何か含むことがありそうです。

Harms of Brest Cancer Screening: Systematic Review to Update the 2009 U.S. preventive services Task Force Recommendation

同雑誌同号特集中の記事

抄録に関しては何万個、スクリーニングに対する論文何百と分析してみたようです。放射性障害による発がんと若年者スクリーニングが逆に負担になるのではという含みを強調していました。

以上を踏まえて、確度の高い、米国内科医雑誌での米国マンモのガイドラインを要約すると

マンモグラフィー施行のない大昔は10万人で100人乳がん発生し30人死亡

スクリーニング発達して10万人で150人乳がん発生し20人死亡

50台まではグレードC(有益性少し)

50から74は二年毎でグレードB(利益かなりあり、毎年すると数か月寿命がのびるかも)

75歳以上はおまかせ

その他の検査触診、エコーMRIなどよくわからんということでした。

 

アメリカがん協会があります。以前食品と発がんで、いろいろ記述しました。患者目線の会報です。44歳までは心配だったらしなさい。45歳から54歳は毎年マンモしましょう。55歳から先は2年に1回。あと10年は余命があるとおもえばマンモやってもいいですよ。

日本はがんセンター統計あります2016年統計

人口10万人で150人乳がん、内22人死亡とアメリカと同じでした。

2013年度がんセンターからガイドラインでは簡便に40歳から74歳までのマンモ単独(毎年か2年毎かはわかりませんでした)はグレードB(かなり有益)と日本の検診精度の良さを裏付け。アジア人におけるマンモ偽陽性の少なさなどがあることを勉強すると、がんセンターの推奨は合目的です。毎年マンモ、肺がん、胃のバリウム、をすると推定胸部写真5枚分。上記の放射線による云々癌が今後どういう世界的コンセンサスになるかわかりません。そこまで考えてかどうかはわかりませんが、自治体の検診では2年に1回に検診クーポンが配られる地域もあるようです。半分以上の乳がん患者さんは自分でしこりに気づいています。他の癌と違うのは、自己検診のウエイトが多いことでしょう。