ハリソン別冊感染症

ハリソン別冊から

感染症はいよいよ佳境です。カビと熱帯風土病はまた今度。次回から心臓血管に突入します。

ライム病は遠心性紅斑で前述Q熱でもふれたBorrelia族でダニ、ロッキー山紅斑ダニのリケッチア、ロッキーに似たツツガムシ病はダニのリケッチアであるがつつが虫と言えと日本の教科書。現在はやりの重症熱性血小板減少症はダニのフラビウイルス。カンペのような羅列ですが、効果ありますよ。わが医院でも当たりはつけられます、高熱筋肉痛インフル陰性では、末梢血自動分析で白血球減少と血小板減少はわかりますから。

 

無菌性髄膜炎のほとんどが+鎖RNA enterovirusでポリオも一種であるが、エンテロウイルス71やコクサッキーA16がこわい。夏秋に多い、髄液検査でタンパク少ないなどが初期にはないことあり、腸管感染から波及、ポリオにおいては成人発症に麻痺が強くのこります。老人の患者さんで無菌性髄膜炎で退院してきたら、別人のようにヨチヨチ歩きになって、70歳代でもチャンピョンコース月例杯上位の面影なくなった方います。

 

アメリカでコウモリにかまれたら、何とかして人道的にコウモリの頭を落として、近くのCDCラボに届けるようにとのこと、唾液腺から狂犬病ウイルスが検出されることありとのことです。人間の予防はグロブリン投与と狂犬病ワクチン5ccを28日間連続筋肉注射のようです。発症したら死亡する病気です。

 

ネッタイシマ蚊媒介のデングとジカ。デング熱は蚊に刺されて7日後に高熱筋肉痛発疹出現、血小板減少毛細血管脆弱による点状出血あり。白血球減少と血小板減少などを覚えておきます。医院でもマニラ空港でトランジットの最中しか蚊にかまれていないといいはる、中高年の方で、入院されたかたいます。ジョージ クルーニーもかかったよと言うと、ハンサムな病気だと喜んでいました。ジカ熱は類似ですが、より症状が軽いのが特徴的です。妊娠中は胎児に小頭症リスクを与えることで有名です。