ハイライツ

JAMA 5/22

  • ①黒人種は紫外線ブロックの皮膚構造から、活性型ビタミンは他人種より少ないことがあります。黒人新生児へのビタミン注射とビタミン経口摂取ではビタミン注射群で喘息のような発作が少ないことがわかりました。母体も妊娠末期では外出して日光を浴びる頻度も少なく、胎児移行も減少気味でしょうから、ビタミンD投与の強化は意味あると思います。日本人はビタミンD作りやすいので、ビタミンD摂取が話題にもなりませんが、今まで紹介したように海外の文献では、ビタミンDは骨だけでなく、心血管合併症を防ぐなどの効用をうったえるものが多いです。
  • ②大腸がん手術で、治癒切除(肝転移や転移リンパ節がない状態に病巣と転移巣を切除)後の患者さんは、CTや腫瘍マーカーを何度もとります。米国2509人の検討では、治癒切除の得られた症例では、頻回の術後検査は決して余命をのばすものではないと言われています。日本では5年間はCTや内視鏡で年に1回はフォローしますが、それぐらいはしたほうがいいように思います。10年たっても50%は再発する病気ですから。また別の論文では、8529人の大腸がん術後を調べたところ、徹底的な再発検索と実際の再発病巣の発見とは相関しないという結果がありました。

③メイヨ―クリニックから、75782人の開心術で左心房の洞窟で左心耳を外から括って潰したり、中から巾着潰ししたりしたものは総勢6000人に及んだようです。潰す必要のある人は、心房細動持ちや僧帽弁疾患などそれなりにリスクの多いのと左心耳をつぶしやすい手術術式の人だったと思います。単純なバイパスや心房中隔欠損や大動脈弁疾患では左心耳を潰すことはあるのでしょうか。しかし75000の開心術などは、内科の薬のメタ解析に匹敵しますので、意味はあると思います。脳卒中や死亡を防いだようです。関係ない手術で左心耳を敢えて潰そうとすると、心臓を無理にひっくり返したりしますから、逆に心房細動になったりとか。心拍動下冠動脈バイパスでは安全にひっくり返す手法が加味されていますから、潰すことは可能でしょうが、潰したことでそれがかえって心房細動のフォーカスになったり、とか心配は尽きません