ショックなライフベスト

Wearable cardiovaerter- defibrillator after myocardial infarction.

2018年9月27日

心筋梗塞後に致死的心室性不整脈対策として、植え込み型除細動器があります。アメリカのガイドラインでは急性期血行再建のなされぬものは40日たって適応があれば、植え込みしなさい。血行再建あれば90日待って植え込みなさい。となっています。その間、なにかあってはならないので、除細動器のベストの装着を行うことがあって、これの効用についての論文です。心筋梗塞後あるいは心筋症の患者さんで、重症不整脈によって、生死をさまよう経験のある人は、植え込み除細動の適応になります。また、たまたま心電図検査や家計調査で突然死リスクを悩む際に植え込み除細動植え込みを求められることあります。必要なのでしょうが、突然、電気ショックが襲ってきますので、命が救われるとわかっていても、恐怖におののく人を幾人か知っております。ショックのたびに、自転車からもんどりうって、転がる人がいます。ショックが打たなかったら、死んでいたのでしょうが、電気ショックによるショックで自転車から落ちてしまうのも、大変なことです。中には、ショックを数回経験して、うつになる人もいます。

心臓の収縮力の落ちた心筋梗塞後2200人を全米主導でリクルート。1500人強は植え込み考慮しつつ基本的にはベスト装着と投薬(一日のうち14時間は真面目に守っていました)、700人は薬だけで植え込み除細動考慮しつつ数か月様子見しました。1500人のうち観察期間中に我慢あいならんと、67人が実際の植え込み手術となりました。これは、調子悪くなって入院して繰り返す心室不整脈を確認してしまったので植え込んだのでしょう。700人の観察組も44人植え込まざるを得ませんでした。5から10%は不整脈死の寸前になる集団ということです。不整脈死はベストを着ていた群と薬物のみ群で有意差なく25人/1500人、19人/700人でした。非不整脈死も同等でした。5%は数か月のうちに死んでしまう、心筋梗塞後心不全の怖さです。植え込まれず、死なないで、ベストを着ていて、ドカンとショックを食らった人は1500人弱の観察で29回ありました。誤作動が9回もありました。薬物観察期間中、植え込みを余儀なくされたひとのうち、ショックが実際に発動されたのは一人でした。

 心機能の悪い、心筋梗塞後の不整脈管理として、数か月のうちに死亡する人、病院で運よく不整脈を発見して治療できる人がだいたい10%いるということです。薬物による不整脈対策は重要で予防効果はかなりありますので、ショック発動のベストを着て戦々恐々とするのもいかがなものか、ということと、解釈しますが。