コロナ随想ー受験、ワクチン、6の倍数の謎

医学生のほとんどが、数学好きのため暗記の少ない物理化学で受験したと言うでしょう。生物学には植物の項目が多く入っているし、暗記も多いし、計算問題にすれば難問珍問クイズみたいな世界になるため、点数がとりにくく敬遠されます。40年前自分らの時代から現在の受験生にも、綿々と、植物のことは人体を扱う医学部では要らなくない?という風潮があります。半世紀以上にわたる不変の受験制度、化学や物理領域の複雑化や難化などで医学を志す者が、受験期に生物を学ぶ機会はありません。コロナの時代になって、自分は気づきました。感染症を引き起こす細菌やコロナは、植物と同じRNAを持っています。植物に効く薬を見つけ作らなくては、感染症を退治できなくない?医者になってしばらくして、博士号を取ろうということで、初めて、ラットなり大腸菌なりの生物学を、一念発起勉強し始める医者が多いという事実をどう解釈したらいいでしょうか。

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