オズボーンの続き

Long –term outcome associated with early repolarization on electrocardiography.

ニューイングランド2009年 630人の通常人のサンプルでこの不吉サインを分析したところ、3%にみとめられ、若年死亡率を3倍に上げるとしました。

 人間ドックの心電図判定は、コンピュータ判断ですが、この早期再分極という不吉サインも判定してもらえます。これがあったらどうしたらいいかは、まず家族や親せきに失神がないかどうかを見極めていく。24時間心電図、運動負荷心電図などで不整脈への移行がないかをみて、本当に悪いサインかどうかを見極めるのがよいと思います。この心臓下壁の早期再分極、側壁のそれはブルガダ症候群として取り扱います。後者は、20%はナトリウムの授受異常の遺伝子変化が知られています(SCN5Aナトリウムチャネル遺伝子の変異が見出され、さらにカルシウムチャネルなど7種類の遺伝子の関与が報告されており、遺伝的チャンネル病)。双方症状がでるのが1%以下です。心電図異常があるから太ももや首から筒やカテーテルをさして、電気生理検査を全員にすることは難しいでしょう。J点が有意に高く、そして歪さがかなりある場合は、すぐに専門機関に受診させるようにしています。治療は、植え込み型電気ショックになるわけで、大変な負担を強いることになるわけで慎重に対応するようにしています。男性に多い理由に、男性ホルモン(テストステロン)を上げている人もいます。テストステロンはIKs,IKr,IKlなどの外向きK電流を増加させ,逆にL型Ca電流などの内向き電流を減少させることが知られています。引用元はなくしてしまいましたが、QRSのあとにちょいと陽性波を作り出すからくりにホルモンが関与しているようです。